第七章 C.D.の計略
闘争の魔獣
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だが二人は違う。
「眼」で結果の見える駆と、武器を手にしたキバだけがその現実はあり得ないことを知っている。
駆には見えている。
数秒後には煙が晴れ、左斜め上から襲いくるハンマーを、右手で押さえさらに左上腕で支える男の姿が。
キバには見えた。
ハンマーのインパクトが最大になる、即ち命中するそのコンマ数秒前。
男は自力でドッガの瞳――トゥルーアイの呪縛を強引に破り、その真の力を発揮したのを。
「なるほど、これがキバの鎧の力」
掴まれたドッガハンマーが、男の剛力で分投げられる。
その力は、しっかりとつかんでいたはずのキバの手から、そんな強引な動作にもかかわらずハンマーをもぎ取るほど。
ゴンっ、と堅いアスファルトに落ちたハンマーは、紫の光となって空に消える。
同時にキバも基本のキバフォームに戻った。
考えても見てほしい。
いくら何でも、やりすぎだと。
確かに、駆やゆかに襲い掛かったとはいえ
確かに、男はいわゆる怪人という存在だとしても
この男は、まだその姿を現さずに、あくまで人間態として襲ってきた。
それに対し、まあキバに変身程度ならまだわかる。
だがドッガフォーム渾身の一撃をためらいなく放つのはやりすぎだ。
とはいえ、キバ―――渡は自らの判断に間違いはなかったと確信した。
どこかで感じていたのだ。
この男は、それほどの脅威であるということを。
そして、周囲を見て駆とゆかはその光景に奇妙な感覚を覚えた。
赤すぎる。
確かに夕焼けで赤く染まっていたかもしれないが、あまりにも周囲の光景が赤い。
だが赤一辺倒というわけでもなく、まるで闇が黒ではなく赤で表現されたかのような異空間。
かつて彼らはこれを
「あ・・・・赤い夜・・・?」
と、名付けた。
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「綾女ヶ丘において、異空間発生」
「過去のデータに同様にパターンあり。幻燈結界、別名・赤い夜と呼ばれる現象に酷似しています」
「なるほど・・・・いいねぇ」
キバ相手のライダーはそう来るかい
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