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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百四話 帝都オーディンに帰還します。
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あるという事実には変わりはない。もし、それが失われてしまったら――。
「あなたはそうなってもいいと思うかしら?」
「それは・・・・。」
「今まであの子が・・・・シャロンが、こちらに手を出さなかったのは、此方の体制が整うのを待っていたから。完璧なものほどシャロンにとって壊しがいの甲斐がある存在だから。」
「・・・・・・・。」
「今、ブラウンシュヴァイク公爵を筆頭とする最後の反勢力を崩壊させ、地球教も滅ぼしたとなると、もうシャロンが動かない理由はないわ。黙っていてもあちらからあの手この手で仕掛けてくるでしょう。いえ、もうその仕掛けの種はこちらに撒かれているのかもしれないわ・・・・。」
「・・・・・・・。」
「フィオーナ、私がベルンシュタインの問題など、些末時として考えていたように思っているかもしれないけれど、私はもうベルンシュタイン等にかまっている余裕はないの。もう事態はあなたが考えているよりもずっと早く、ずっと大きく終局に向かっているのよ。シャロンが勝つか・・・・ラインハルトと私たちが勝つか・・・・二つに一つなの。シャロンがいる限り、共存の道はないのよ。」
静かに地上車はアウトバーンを走っていく。よく整備された道は陽光を受けてきらめき、外の景色は平和そのものだった。
「・・・・それでも、私は諦めたくはないんです。」
フィオーナが小声で言った。
「教官のおっしゃることもよくわかります。ですけれど、その考え方をとれば、究極的には絶対多数を救うために少数を犠牲にすることになります。少なくとも努力をすることは必要だと私は思います。だから、ベルンシュタイン中将のこともできれば最後まであきらめたくはないんです。」
「わかっているわ。だからこそあなたに、そしてラインハルトに機会を与えたのだから。」
教官は微笑んだ。
「でも、フィオーナ。ベルンシュタインの問題が片付いたら、あなたの全力を対自由惑星同盟に向けて頂戴。そうしなければシャロンには勝つことができない。ジェニファーを失った今、私たちの誰一人が欠けてもシャロンに対抗することはできない。その気持ちで臨んでくれる?」
「・・・・はい。」
フィオーナは静かな、だが固い決意を灰色の瞳に秘めてイルーナを見つめた。




 ベルンシュタイン中将以下の捕虜は各収容施設に収容されて沙汰を待つこととなったが、下士官以下兵士に関しては現役復帰するもよし、あるいは軍をやめて野にかえるもよし、という寛大な処置だった。軍をやめる人間については一時金を支給する旨ラインハルトから通達があった。
「卿等は上官の命令によってその職務を遂行した。その心得や良し。卿等を処断する理由などこちらには何一つない。私に従って軍務を続けるも良し、軍を辞して家業を継ぐも良し、卿等の判断に任せよう。」
と言う寛大な処置に感激
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