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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百四話 帝都オーディンに帰還します。
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れ!!」
という叫びが幾重にもこだましている。フィオーナが外に出ると、歓声は一段と高まった。彼女の足が一瞬止まったのは、ティアナ、キルヒアイス、ビッテンフェルト、そしてバイエルン候エーバルトと言った面々が彼女の側に歩み寄ってきたからだ。
遠征軍将官たちは出迎えの将官たちに歩いていく。再び足が一瞬止まったのは、出迎えた将官の一団の中に一人の顔を認めたからだ。
「お帰りなさい。」
イルーナ・フォン・ヴァンクラフトの声は、いつか彼女が達成困難なミッションから帰ってきたときの、あの時の声と全く変わることがなかった。
「はい。・・・・・教官。」
二人の会話は大観衆はおろか、周りにいた将官たちでさえ聞き取れなかった。
将官たちは地上車に乗って元帥府に向かった。
ビッテンフェルトは腕を組んだままぶつぶつ言っている。
「あの胸糞の悪いベルンシュタインの奴を助けるなどと、いったいどういう風の吹き回しなのだ?フロイレイン・ティアナ。」
「私に聞かないでよ。どうして助けたいのかを知っているのは――。」
ティアナは前を走っている地上車を見た。そこにはイルーナと自分の親友が乗っているはずだった。極秘裏に話し合いたいというので二人きりにしたのだ。
「あの二人だけ、ってわけね。」
バーバラが言った。
「奴などはどうせ処刑されるに決まっておる。ミュッケンベルガー主席元帥を暗殺しようとし、リヒテンラーデ侯爵に生死不明の重傷を負わせ、あまっさえ皇太子殿下をお連れ申し上げたのは皆彼奴だというではないか!!」
「はいはい落ち着いて。・・・ねぇティアナ、その皇太子殿下だけれど、ブラウンシュヴァイク本星を捜索しても、居なかったって話じゃない。」
「そうなのよ。これじゃ原作と同じ・・・ゴホン!!まるで煙のように消えてしまったみたい。監視している人間や侍女たちに話を聞いても皆知らぬ存ぜぬの一点張り。まさか非力な人間に自白剤を使うわけにはいかないし。」
「皇太子殿下と言うが、今はカザリン・ケートヘン陛下が王位継承者なのだから、問題ないのではないか?奉戴するにせよ、力がなければならぬが、賊軍は四散し、皇太子殿下を担ぎ上げる人間も今はおるまい。」
ビッテンフェルトが正面に座っている二人をかわるがわる見ながら話す。
「今は、ね・・・・。」
ティアナが放ったつぶやきは本人にしか聞き取れないものだった。
ティアナたちの前を走っている地上車にはフィオーナとイルーナが搭乗していた。車内は静まり返っていた。運転手からすれば一切会話がないので、不審に思ったかもしれないが、二人は自分たちの周りにオーラで遮音力場を張り巡らして、会話が聞こえないようにしていたのである。
「ベルンシュタインはどうやらラインハルトを殺しにかかる決意を捨てなかったようね。」
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