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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百四話 帝都オーディンに帰還します。
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・・・。私、お父様やお母様、お兄様たちの仇、ブラウンシュヴァイク公爵を討ちました。でも・・・・私は嬉しくはありません。満たされもしません。それどころか・・・・とても、悲しくて・・・・・。
今は気持ちの整理がつかない。お父様、そしてブラウンシュヴァイク公爵の死が、せめて・・・・せめてローエングラム公、そしてアレーナお姉様たちの切り開く未来への道標となるのであれば――。
そう、せめてそれくらいは――。
* * * * *
帝国暦488年2月15日――。
帰路は何事もなく、帝都オーディンに凱旋した遠征軍は熱烈な歓呼の声と共に迎えられた。幾万もの群衆が詰めかけ、それを警備する兵隊と押し問答を繰り広げている。
ラインハルトの姿は見えなかったが、イルーナ以下主だった将官は軒並み出迎えに出ていた。ヘルヴォール艦橋でフィオーナは少し複雑な思いで旗艦が接舷するのを待っていた。教官とあんなに言い争いをした後にどういう顔をして会えばいいのだろう。
「接舷、完了しました。・・・・提督?」
ヴェラ・ニール艦長が話しかけた。不思議そうな顔をして。
「えっ!?・・・あぁ。・・・ありがとう。」
背を見せて歩み去っていく彼女を、そしてそれを追って歩いていくエステルとサビーネを、艦長は不思議そうに見送っていた。
「どうかされたんですか?」
部下の女性オペレーターが尋ねた。艦長とオペレーターとは階級の差はあるけれど、彼女は普段それをあまり気にしないので、誰もが気さくに話しかけるのである。
「どこか、変だと思わない?提督。」
「やはり緊張されているのではないですか?これだけの大観衆がいるんですもの。」
無邪気そうに言うオペレーターと対照的に先ほどの提督の横顔をヴェラは思い出していた。どこか注意散漫で、何かに心を奪われている表情だった。
「それならいいのだけれど・・・・なんだか、私、不安・・・・。」
ヴェラは胸に手を当ててエレベーターに乗り込もうとするこの艦の主を見送っていた。
ガラス張りのエレベーターで外に出るまでの間、フィオーナはずっと黙っていた。眼下には大観衆がエア・ポートを埋め尽くしているのがはっきりとわかる。だが、この艦の主はそれを見下ろしながらもどこか別の何かに心を奪われているような様子だったので、エステルもサビーネもただ顔を見合わせるだけだった。
既にフレイヤ、ケーニス・ティーゲル、バルバロッサ等の旗艦は接舷完了し、遠征軍総司令官の到着を待っている。それなのに、当の総司令官の顔は浮かない顔つきのままだ。
ズシンとエレベーターが止まり、三人が外に出たとたん、耳を覆わんばかりの大歓声が聞こえてきた。
「ローエングラム公万歳!!」
「帝国に栄光あれ!!」
「ローエングラム公万歳!!」
「帝国に栄光あ
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