第222話 空戦拳舞
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で――ご案内します」
「……どういうつもりだ。敵に塩を送るようなものだろう」
場所を変える――か。どうやら、その必要が出てくるほどの大暴れをやらかすつもりらしいな。あるいは、俺達にそれをさせるつもりか。
いずれにせよ、彼女がどこかに逃げるというなら、俺達は追うまでだ。
「あなたを殺す前に、確かめておきたいのです。救芽井エレクトロニクスが造る最高のスーツが、どこまで戦闘行為に順応出来るのか」
「……いいぜ、乗ってやる。勢い余って、お前をぶちのめしてしまうかも知れんがな」
「――いえ、ご心配なく。あなたならいつでも殺せますので」
抑揚のない口調で、淡々と言い切った後――彼女は両足のバーニアを吹かせ、グラウンドの外へ飛び去って行く。
『先輩……』
「……心配すんな。俺のしぶとさ、知ってんだろ」
その姿を見送った後。鮎子の不安を掻き消すように、俺は拳を握り締め――踵を返して「超機龍の鉄馬」の方へ向かう。
こちらを案ずるように見つめる仲間達を、視界に映しながら。
――これから行く舞台に立つ頭数は、俺と彼女の二人だけだ。
だけど、これは一騎打ちじゃない。
俺はもう――たった一人の「救済の超機龍」じゃないから。
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