暁 〜小説投稿サイト〜
フルメタル・アクションヒーローズ
第222話 空戦拳舞
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
で――ご案内します」
「……どういうつもりだ。敵に塩を送るようなものだろう」

 場所を変える――か。どうやら、その必要が出てくるほどの大暴れをやらかすつもりらしいな。あるいは、俺達にそれをさせるつもりか。
 いずれにせよ、彼女がどこかに逃げるというなら、俺達は追うまでだ。

「あなたを殺す前に、確かめておきたいのです。救芽井エレクトロニクスが造る最高のスーツが、どこまで戦闘行為に順応出来るのか」
「……いいぜ、乗ってやる。勢い余って、お前をぶちのめしてしまうかも知れんがな」
「――いえ、ご心配なく。あなたならいつでも殺せますので」

 抑揚のない口調で、淡々と言い切った後――彼女は両足のバーニアを吹かせ、グラウンドの外へ飛び去って行く。

『先輩……』
「……心配すんな。俺のしぶとさ、知ってんだろ」

 その姿を見送った後。鮎子の不安を掻き消すように、俺は拳を握り締め――踵を返して「超機龍の鉄馬」の方へ向かう。
 こちらを案ずるように見つめる仲間達を、視界に映しながら。

 ――これから行く舞台に立つ頭数は、俺と彼女の二人だけだ。
 だけど、これは一騎打ちじゃない。

 俺はもう――たった一人の「救済の超機龍」じゃないから。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ