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フルメタル・アクションヒーローズ
第221話 願いの繋ぎ人
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れたか。ならば……もう……」

 ――戦う必要なんて、ない。
 そう。俺達は、本当は初めから戦う必要なんて、なかったんだ。
 あの娘が生きたいと願ったのなら、それで十分だったのだから。

「……将軍、もういい」
「た、のむ。姫様を……ダスカリアン王国の、未来を……」

 その真実にたどり着く頃には、既に将軍は意識が朦朧となっていた。それでも、最後の力を振り絞るように――震える手を、懸命に俺の顔に伸ばしている。
 彼はそのまま、俺の仮面の頬に手を当て――撫でた。まるで、幼い我が子を慈しむかのように。

「繋いで……くれ。テン……ニー、ン……」

 そして、その一言を最後に。
 ジェリバン将軍の意識は、完全に消え失せた。

「……」
「……大丈夫だぜ、旦那。こりゃあ気絶してるだけだ。四肢の骨とアバラがほとんどブチ折られてるが……十分回復の余地はある」
「隊長、とにかく病院前に移した方がいい。先に運ばれた久水会長と古我知さんも酷いが、間違いなくこのデカブツが一番重傷だ」
「わかってらぁ。んじゃ、アタイらはもう行くぜ旦那。……あんたの手で、この町の笑顔――取り返してやんなよ」

 俺は無言のまま、フラヴィさんとジュリアさんに将軍を引き渡し――再び、ラドロイバーの方へと向き直る。

「……」
「マスク越しでも伝わる、瞳に込められたその殺気……なるほど。瀧上凱樹では、あなたに勝てなかったわけです」

 そんな俺の視線を浴びてもなお、ラドロイバーは表情を崩さない。あくまで怜悧冷徹そのものといった面持ちで、俺と眼差しを交わしている。

「――あなたなら、瀧上凱樹さえ超える最強の強化装甲兵にもなれたはずですが……どうやら、その拳を向ける相手を間違えているようですね」
「……間違えちゃいないさ。少なくとも、俺にとっては」

 俺も、ある意味では瀧上凱樹と何も変わっちゃいない。鮎子を苦しめ、救芽井や久水先輩を泣かせ、茂さんをぶちのめし――そうまでして得た力で、着鎧甲冑に最も望まれない「戦い」に、身を投じようとしている。

 自分自身の正義に従い、他の皆を踏みにじり。そうした果てに、俺はここにいる。どう言い繕ったところで、その真実が変わることはないし――否定するつもりもない。

 だが。
 そんな奴にも、守れる命はある。繋げる未来はある。

 それを――今から、証明してやる。

「ダスカリアンのためにも、ダウゥ姫のためにも……皆のためにも、矢村のためにも」

 ――そして、兄貴のためにもッ!

「……お前は、必ずここで止めて見せる!」

「……そう。『優しい』のですね、あなたは」

 ラドロイバーが残した言葉の意味。
 それを咀嚼する間も無く、彼女の殺気が膨れ上がる。
 次いで、そ
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