第218話 金と銀の剣舞
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ようとした彼女の腕に絡み付いてしまう。
『とォォあァァァッ!』
その機転により生じた一瞬の隙を突き、彼女の背後から高電圧ダガーの斬撃が迫る。それに反応したラドロイバーは咄嗟に振り返り、その一太刀を指二本の白刃取りで受け止めた。
体重も助走も乗せた一撃を、指二本で止めるなんて……どんなパワーしてやがるんだ……!?
『ぐッ……! 電磁警棒対策の絶縁体かッ……!』
『――あなたも、着鎧甲冑の兵器化を目指した一人でしょう? 相容れないはずはないと、私は見ていたのですがね』
『僕は着鎧甲冑を兵器にしたかったわけじゃない――ただ、この力を次代に繋げたかった! それだけだッ!』
『私のやり方でも、着鎧甲冑の力は伝わると……約束しますよ』
『それは……樋稟ちゃんの! あの娘の望んだ未来じゃないんだァァァッ!』
しかし、それだけでは終わらない。古我知さんは指の隙間から力任せにラドロイバーの拘束を振り切り、再び大上段から高電圧ダガーを振り下ろす。
そして彼女の実態を暴こうと、コートの胸元に刃を突き立て――
――止まってしまった。
『……こ、これはッ!?』
高電圧ダガーで胸元からコートを切り裂き、ラドロイバーの戦力を暴く。本来なら、そうなるはずだった。……はず、だったのだ。
しかし現実では、高電圧ダガーは胸元の隙間に刺し込まれたところで止まってしまっている。斬れるはずのものが――斬れない。
『コッ――コートの下に仕込んでるわけじゃない! このコートそのものが……!』
それが意味するものに気づいた瞬間。赤い電光が怒るように閃き――彼女の無機質な瞳が、古我知さんに向けられた。
――ダメだ、古我知さん!
俺が胸中でそう叫ぶよりも速く。高電圧ダガーを握る古我知さんの義手が、部品を撒き散らしながら吹き飛んで行く。次いで足も、残った腕も。瞬く間に、切り刻まれてしまった。
『ごふっ……!』
そしてとどめを刺すかのように、ダルマにされた古我知さんの身体にラドロイバーの蹴りが入る。サッカーボールのように吹き飛ばされた古我知さんの身体は、頭から突き刺さるようにグラウンドに墜落した。
随分と……派手にやってくれたもんだッ……!
『おのれ――ぐォァッ!』
茂さんも追撃に出ようとした瞬間、胸板に靴底を叩き込むような蹴りを受け、激しく吹き飛ばされてしまった。
しかもその頃には、麻酔針と銃剣を繋ぐワイヤーがレーザーで焼き切られてしまっていたのだ。これでは、もうテイザーライフルとしての効果は発揮できない。
『……申し訳ありません。少しばかり、力が入り過ぎてしまったようで』
ほんの僅かに揺らいだラドロイバーの表情も、すっかり元通りになってしまっている。ここまでの
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