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フルメタル・アクションヒーローズ
第217話 小さなレスキューヒーローズ
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の決闘の場で天井をくり抜いたレーザーだったか。
 二人を標的に定めたラドロイバーの右腕が、再び彼女達に向けられる。

 しかし、レーザーの第二射が彼女達に向かうことはなかった。

『トワァアァアーッ!』
『ぬぁぁぁああーッ!』

 ラドロイバーの背後に迫る、金と銀の闘士。その気配を察した瞬間、彼女は振り向きながら薙ぎ払うようにレーザーを照射する。
 しかしそれを読んでいたのか、二人は別々の方向へ回避し、ラドロイバーを挟み撃ちにする体勢へ移った。

『古我知剣一。貴様、随分と無謀なタイミングで攻勢に出たな』
『あのお姫様を見ていると、命知らずな誰かを思い出してね。君の方こそ、僕と同じ瞬間に動いたじゃないか』
『なに、知り合いに甲斐性なしで無鉄砲な大馬鹿者がいてな。そいつを思い出して動かずにはいられなくなっただけだ』
『そうかい、奇遇だね。……正直、君とだけは組みたくはなかったが。背に腹は変えられない』
『そうだな。ワガハイとしても貴様と組むなど反吐が出る思いだが……そんな贅沢を言える相手でもあるまい』

 憎まれ口を叩き合ってはいるが、仮面越しに伺える、その目の色は先刻よりも滾っているようだった。……つーか二人とも、ちょっと言い過ぎじゃねーのソレは。後で覚えとけ。

『さぁ、二人とも下がって! あの二人、遠慮抜きで暴れるつもりだわ。ここに居ては危険よ!』
『そ、そうみたいやな……。ほら、行くでお姫様!』
『……しょ、しょうがねぇな……』

 一方、救芽井は気絶した将軍を担ぎ、矢村とダウゥ姫を連れて戦場から距離を取っていた。彼女の言う通り、ここで戦うからには二人が周囲に遠慮することはないだろう。
 その気になれば加勢することも出来る状況でありながら、非戦闘員の保護を優先する賢明な判断は、さすがとしか言いようがない。俺だったら血の気が勝って戦いに行っちゃいそうだ。

『……あー……ヤムラっつったか。お前』
『ん? なんや』
『気にくわねぇし、癪に障ってしょうがねぇが……とりあえず、助けられた礼だけは言っとく。ありがたく受け取っとけ』
『……ホンマ、素直やないなぁ、あんた。うちのダンナみたいや』
『……る、るせぇ』

 ――そして、とうとう矢村までが俺をダシにしている頃。

『……いいのですよ。何人掛かりで来ても』

『その言葉――』
『――刑務所で悔いるがいい』

 金と銀の乱舞が、始まろうとしていた。

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