第217話 小さなレスキューヒーローズ
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はしたものの足はかなりふらついている。もう、さっきまでの勢いの突進は出来ないだろう。
『ホントは、死にたくねぇ。死にたくねぇんだ、怖いんだ。それがわかった時、オレも何かしなくちゃ……って思ったんだよ。そんなオレを助けるために、敵でしかないニホン人が、こんなに命張ってんだから』
『でしたら……もう、お下がりください。あなたは何があっても、私達がお守りしますから。あなたには、ダスカリアンの未来のためにも、生き抜いて頂かなければ……!』
『……ワーリが負けたんだ。そんな奴に、オレが勝てっこねぇことくらいわかる。けどよ、もうオレにはこれしかねぇんだ。イチレンジが来るまで、お前らに怪我させねぇようにするしか――』
しかし、それでもなお。ダウゥ姫は立ち向かう。
『――能がねぇんだよぉぉーッ!』
『ダウゥ姫ぇーっ!』
敵対しているはずの、俺達を守るために。
『……あぐぅっ!』
だが。
その意思だけで状況を変えられる程、甘い相手ではない。
やはりパンチのダメージは足に来ていたらしく、ラドロイバーの目前まで接近したところで彼女は躓いてしまった。
『……もう、言いたいことはそれで十分ですか』
自身の足元に倒れ込む彼女を、ラドロイバーは冷たく見下ろしている。そして、ゆっくりと右手を彼女の方に向けていた。
コートの下に仕込んでいるであろう何かで、とどめを刺すつもりなのか。そう察した瞬間、彼女の袖から赤い光が閃く――
『着鎧甲冑ッ!』
――刹那。白く小さな物体が、電光石火の如き速さでダウゥ姫をさらってしまった。次いで、彼女が倒れていたラドロイバーの足元が、焼けついた痕を残して煙を上げる。
『……』
ラドロイバーが静かに視線で追う、物体の正体。それは、レスキューカッツェが所持するR型だった。
『はぁ、はぁっ……!』
『お、お前……!?』
しかし、あんな小柄な隊員はレスキューカッツェにはいない。というか、身長制限に確実に引っかかる。
『……っぷはぁ! あーもー、死ぬかと思ったわっ! ホンマに好き勝手しまくる奴やなあんたはっ!』
『な、なんだとっ!? お前こそオレの邪魔ばっかしやがって! せっかくオレが活躍してイチレンジの役に立ってやろうって時にっ!』
『なんやと!?』
『なんだよ!?』
……だが、助かって早々口喧嘩を始める姿を見れば、中の人は察するまでもない。どうやら最初にやられたレスキューカッツェの隊員から腕輪をくすねてきたらしいが……うちの嫁さんも、かなり無茶なことをしなさる。
それにしても、さっきの攻撃。あの地面を焼いた赤い閃光は――
『二人とも喧嘩してる場合じゃないでしょっ! レーザーが来る!』
――やはり救芽井が言う通り、あ
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