第4章 夢の中の天使
第207話 運命の狼煙
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には行かない。
「……」
すると照れ臭くなったのか、鮎子は頬を赤く染めると、視線を下に落としてしまった。あれ、さすがにクサ過ぎたかな。
「困った殿方ですわね。こんな朝早くから、『一つになる』なんて。言葉はもっとよく咀嚼してから口にするものでしてよ」
「んなっ!?」
「……あ。おはよう」
そんな俺の意表を突くように、背後から聞き慣れた声が刺さる。
振り返った先には――淡い桃色の和服を纏う、久水先輩の姿があった。
今までのような体のラインを強調した服とは違う、慎ましい佇まい。これが本当にあの久水先輩なのかと、我が目を疑ってしまう。
少なくとも、俺が知る限りでは――今までのどんな時よりも、彼女の姿は輝いているようだった。
「ふふ、今更見惚れても手遅れでしてよ。せいぜい、このワタクシを振ったことを後悔するざます」
「な、なにを……」
生まれ変わった彼女は、俺をからかうように笑いながら――
「――賀織さんと、お幸せに。そして、親友のこと……改めて、お願いしますわ」
「……!」
――最後にそう耳打ちし、喧騒の中へ向かって行った。
どんな表情をしていたのかは、見逃してしまったが――俺に囁いた時の声色は、いつになく安らいでいた。
……参ったね。俺が気を揉んでいたことが滑稽になるくらい、彼女は強かったらしい。
その強い女にああ言われちゃあ、責任も重大だ。これから、大変になりそうだぜ。
「……先輩?」
「鮎子。改めて頼む。俺のために、もう少しだけ――修羅道ってヤツに付き合って欲しい」
「……今更にも程がある。そんなの、ずっと前から決めてたことだよ」
「そっか……恩に着るよ。ありがとう」
これから始まる戦いに向けて、改めてパートナーに協力を申請――というつもりだったが、確かに今更にも程があったな。
「……ぷっ」
「……ぶふっ」
冷静に考えるとあまりにも可笑しかったんで、気がつけば俺も鮎子も吹き出してしまっていた。
思えば、お互いそればっかりの数週間だったもんなぁ。今更も今更、超今更だ。
「……じゃあ、今更ついでに願掛けでもしてく?」
「願掛け? ああそうか、今日って七夕だっけ」
鮎子の誘いで、俺はふと先日の話を思い出す。長いこと眠っていたせいで、日にちの感覚がズレてきているらしい。
「織姫様と彦星様が、ボク達についてくれるかはわからないけど――それでも、今は一人でも多くの味方が欲しいからね」
「だな。もしラドロイバーの方につこうもんなら、天の川まで殴り込みに行ってやろうぜ。空まで飛べると評判の『超機龍の鉄馬』でな」
「……『超機龍の鉄馬』に大気圏突破能力はないよ?」
「……例えに決まってんだろ、そこはマジレ
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