第191話 二人の改造人間
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でいる。
やがて、数秒の間を置いて息を整えた彼女は、大口を開けてまくし立てるように状況の説明を始めた。
「りゅりゅ、龍太んとこのお母ちゃんが、えらい真剣な顔で樋稟を呼び出しとったんや! ここ、今回のことで樋稟、めっちゃ怒られてまうんやないやろか……! 龍太、どど、どないしよ……!?」
怯える子犬のように瞳を潤ませながら、小麦色の少女は視線を泳がせる。
そんな彼女の様子を一瞥し、俺と古我知さんは互いの顔を見合わせる。
母さんは元々、着鎧甲冑の仕事に対してはあまり快く思ってはいなかった。
その関係もあって、救芽井に対してはやたらと厳しい一面も覗かせていた――のだが、救芽井の真摯な姿勢も知っている母さんが、彼女を頭ごなしに否定するとは考えにくい。
だが、今回の一件で兄貴は意識不明の重体になり、俺は内臓まで失っている。その責任がどこに向かうのかを、母さんが考えた場合、行き着く先は――!
「……行ってみよう。あんまりなことを言うようなら、俺が止める」
不安げにこちらを見上げる矢村の頭を優しく撫でて、俺は古我知さんと視線を交わす。
そして、無言のまま静かに頷く彼に対し、首を縦に振ってから――矢村を連れて、俺は病棟へと駆け出した。
母さん……信じていいんだよな……?
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