第187話 求められた答え
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
さなら、先生の自信にも納得がいく。ガラクタ呼ばわりしてた理由もな」
「そう言ってやりたくなるのは、他にも理由があるんだけどね。ま、いいわ。少しは私の提案が理解できたかしら?」
「おう。……だけどさ、そんなもの持ち出されだって、俺は動かせっこないぞ? バイクの免許なんて持ってないし、飛行機なんて以ての外だ。小型ジェットの制御とか別にいいから、装甲だけで十分だし」
「小型ジェットがないと、機動力が殺されて外敵の的にしかならないわよ。――大丈夫。あなたにそんな器用な仕事は最初から期待してないわ」
辛辣な言い草で俺を窘めてから、鮎美先生は四郷の方を見やる。彼女は震える両手を握り締めながら、過去の恐怖に屈しまいと、懸命に姉の瞳を睨み付けていた。
そんな妹の姿に満足したかのように、鮎美先生は説明を再開する。――だがその表情と声色は、時間を追うごとに険しさを増しつつあった。
「『超機龍の鉄馬』には、もう一つの重大な問題があるの。それは、機動力と防御力を優先させるために余分なスペースを切り詰めたことで、全ての機能を自立制御で運用できるようなコンピュータを積めなくなったことよ」
「コンピュータが、積めなくなった……?」
「他の機能を優先して積み上げたせいで、肝心のそれを操るオツムが入らなくなった――と言えば、わかるかしら?」
「ははぁ、なるほど……って、それじゃそもそも動かせないってことじゃねーか」
「そう、意味がないの。あなたが上乗せで纏う増加装甲の小型ジェットも、それを遠隔操作で操る頭脳がなければ、制御なんて出来ない。戦いに集中しながらジェットを手動で制御……なんて、現実的じゃないからね」
「そこまで分かっててこの話をここでする――ってことは、何か考えがあるってことなのか?」
俺の問いに、鮎美先生はため息混じりに「あるっちゃあるけど、これを言うのが一番キツイのよねぇ」とぼやく。その「考え」というヤツは、あまり歓迎できる代物ではないらしい。
だが、教えてもらわなくちゃならない。ここまで来て、勝てる望みを捨てたら笑い話にもならねぇよ。
「まるで人間のような複雑な思考を同時に進行させ、かつ、機械のように優れた演算能力と冷静さを併せ持つ。それが、『超機龍の鉄馬』に要求される頭脳よ」
「清々しいレベルでバカ高い理想だな。そんなもん機械にやらせろ――ってのが、出来ない状態なんだっけか」
「出来るのよ。そんな頭脳が、用意できるの」
「はぁ? あんた、さっきはコンピュータは積めないって――」
そこまで言いかけて、俺は勘付いた。
「――ッ!?」
そして、呪った。自分の、無駄な洞察力を。
「鮎子。そこで、あなたに頼みたいことがあるの」
「……うん」
――彼女は、「頭脳」と言った。
「コンピュー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ