第187話 求められた答え
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はこの飛行バイクに対応する役目があるの。その増加装甲の全身に取り付けられた小型ジェットには、姿勢を安定させる狙いがあるのよ」
「え? バイクだけじゃなくて、上から着る増加装甲? ってのにも、噴射口が付いとんの?」
「えぇ。さすがにバイク自体を飛ばしてるダブルジェットには遠く及ばない推進力だし、姿勢を維持するためにはちゃんと制御する必要もあるんだけど、ちょっとの間は飛べるくらいのパワーはあるのよ。『超機龍の鉄馬』の本体にも、風圧を殺して搭乗者を守るための防護シールドはあるんだけど、それだけじゃ心許ないからね。備えあれば憂いなしって奴よ」
救芽井や矢村の質問に、鮎美先生は慣れた言葉使いで解説して行く。もしかしたら俺が目を覚ます以前から、この話題を出すことを視野に入れていたのかもしれない。
つまり二段着鎧とは、搭乗者が振り落とされないために着る、ちっこいジェット付きの鎧ってことなんだな。それを「救済の超機龍」の上に着る、という流れなんだろう。
それによって防御力と機動力を同時に高め、俺の失った体力をカバーする――か。なるほど、確かに話が繋がってくるな。
……しかし、まだ全ては明らかにはなっていない。その中でも俺が今、一番に疑問に思うのは――彼女が「二段着鎧なら将軍と張り合える」と主張する、その根拠だ。
「鮎美先生。疑うつもりはないんだけどさ。その二段着鎧ってのは、一体どれだけ凄いんだ?」
「どれだけ……ねぇ。それなら、『現物』とやりあったあなたの方が、よく知ってることなんじゃないかしら」
「『現物』……?」
訝しがる俺の瞳を一瞥し――鮎美先生は、タネを明かす。
一年前を彷彿させる、引き締まった眼差しを、ぶつけながら。
「『超機龍の鉄馬』と、それに搭載された増加装甲には――『新人類の巨鎧体』の装甲が流用されているのよ」
その一言で、ただでさえ冷えていた病室の空気がさらに凍り付いてしまった。鮎子はトラウマを掘り返されたことで眉をキュッと引き締め、久水は怪訝そうな表情で鮎美先生を睨む。
そして、古我知さんは両の拳を震えるほどに握り締め、息を飲み込んだ。矢村もさすがにこの種明かしには堪えたらしく、さっきまでとは一転して、怯えたような表情を見せていた。
ダスカリアンを滅ぼし、俺達を深く追い詰めた「新人類の巨鎧体」。その残骸から作られた装甲を、纏えと――彼女は言っているのだ。
ジェリバン将軍もダウゥ姫も、見るからに表情が険しい。自分達に起きた不幸の元凶など、名前すら聞きたくないだろうに。
そんな彼らの痛切な姿を見てしまっては、伊葉さんの胸中も穏やかではあるまい。彼自身、掛ける言葉を見つけられず、唇を血が出そうなほどに噛み締めている。
「……なるほど、な。あのどうしようもねぇ硬
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