暁 〜小説投稿サイト〜
フルメタル・アクションヒーローズ
第181話 禁じられた着鎧
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大量の鉄骨の重量がのしかかっているはずの天井が、一際大きな軋みの音を上げた。

 尽くせる手は、尽くされた。
 あとは天命を待つのみ。

 そして、与えられた末路は――ハッピーエンドを許さなかった。

「クッ……! まだ、足りぬ、のか……!?」
「まさか龍太君との戦闘で、電力を大量に消耗したせいでは……!」
「そんな……! ダメ! そんなのダメッ! 絶対ダメぇえっ!」

 これほどの力をぶつけてもなお、天井は動かない。古我知さんが言う通り、将軍のパワーも限界を迎えようとしているのだろうか。
 頭を振り、現実を振り払わんと叫ぶ救芽井の声色が、絶望と恐怖を覗かせている。目の前で人が死んでいく。それはレスキューヒーローの始祖たる彼女にとっては、何よりも堪え難い結果に違いない。

 だからこそ、俺の死を止められない自分を責めているのだ。頭上で自分の邪魔をする、無機質な鉄の板に全力を込めながら。
 彼女も、古我知さんも、将軍も。誰もが叫び、唸り、渾身の力を天にぶつけ続けている。例え、それが届かない願いの現れであったとしても。

 ……そんな彼女達に水を差すようなことかも知れないが。

 俺は、このまま死んでいくなら、それもいいと思っている。

「……」

 混濁していく血まみれの視界の中に、確かに見える褐色の肌。涙に頬を濡らすやんちゃな姫君は今、駆け付けた鮎美先生に保護されていた。

 俺が助けた、この命の対価。その無事をこの目に映る世界に認めた時。
 安堵する自分が居るのだ。こんな時であっても。

 いや、こんな時だからこそ、だろう。
 ここで彼女に何かあったならば、それこそ俺は自分が生きてきた意義を見失っていた。

 自分も助からなければ、レスキューヒーローとは言えない。それはわかっている。
 だけど。彼女だけでも生き延びた事実を喜んでいる、この気持ちを否定はできない。

 だから、これでいい。これでよかったのだ。

「……も、う、いい」

 ゆえに俺は、今も闘い続けている彼女達に、そう呟いていた。聞こえるはずもない程の小声で。
 ――この天井が落ちてきたのは、間違いなく人為的なものだ。この場にいる彼女達にも、何らかの危害が及ばないとも限らない。

 少しでも全員を危険から遠ざけるならば、すぐさまここから離れるしかない。天井と鉄骨を落とした張本人がどこにいるかわからない以上、とにかく現場から少しでも距離を取るのが先決だ。
 俺の命を拾うための行為でさらに被害が拡大しようものなら、その方が俺には堪えられない。

 そのためにも、彼女達には一刻も早くここから逃げて欲しかった――のだが、歯痒いことに今の俺には、その考えを届かせる手段がない。
 どれだけ声を振り絞っても、どれだけ叫ぼ
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