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フルメタル・アクションヒーローズ
第181話 禁じられた着鎧
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てる……?

「龍太君ッ! 今、助けてあげるからッ! しっかりッ!」
「意識を失うな! すぐに助けるからッ!」

 ……朦朧とする意識の中で、その答えを求めようとしていた俺の前に、救芽井と古我知さんが現れる。二人は互いに顔を見合わせて強く頷くと、同時に天井に両手を当てた。

「なんとか鉄骨を抜きましょう! 抜けた瞬間、龍太君が出血死する前に私の瞬間止血剤で傷を塞ぎます!」
「ああ! すぐに使えるよう、バックルから用意しておいてくれ!」
「はい!」

 さすがはたった一年で一時代を築いたスーパーヒロインと、その元開発スタッフだ。二人は一切無駄のない動きで迅速に対応を決め、それを実行に移している。
 救芽井は一瞬だけ片手を離して腰周りのバックルに手を伸ばし、そこから一つの白い球体を取り出した。野球ボールくらいの大きさを持ったソレは、傷に当てると血に反応して液状化し、僅か数秒で硬化する特殊な瞬間止血剤。

 これを使うことで、一時的に血を完全に止める止血剤の効果を得ることができるのだ。俺も資格試験や一年間のヒーロー活動の中で、何度か使ったことがある。……昔は間違えて自分の顔に付いた傷にへばりつけたりして、エラい目に遭うこともあったなぁ。

 そして、そのことを思い出したのが契機となったのか――これまでに経験してきた戦い、任務、部活で過ごした日々や関わってきた人々との記憶が、濁流のように脳裏へ流れ込んで来る。
 これが……走馬灯って奴なのか。

「うぐっ、うおぉおぉッ……!」
「う、あぁ、あぁああぁッ!」

 鉄骨で貫かれた人間が辿るであろう、死という結末。そのエンディングを覆すべく、救芽井と古我知さんが天井を押しのけるべく全力を注ぎ、唸る。
 救芽井の片手に握られた止血剤が、俺の生死を分ける最後の希望だった。

 しかし、天井は超人二人の力を以ってしても、容易には動かない。斜めだったり垂直だったりと、様々な角度で周囲に突き刺さっている他の鉄骨が重なり合い、相当な重量となって彼らの奮闘を阻害しているのだろう。
 俺の背中に刺さっている鉄骨だけ切断できれば簡単なのだが、あいにく俺の背中と天井は、ほぼ密着してしまっているのだ。古我知さんの高電圧ダガーでは、俺の身体ごと焼き切られてしまう。

 結局はこの天井をどうにかしなければ、俺には死しかない。

「ヌッ……ウウッ!」
「ジェ、ジェリバン将軍!?」
「――協力、させてくれ。姫様のためにも、彼のためにも!」

 その事実に、突き動かされるものがあったのだろう。さっきまで敵対していたはずのが将軍までもが、一切の迷いも見せず救芽井達に加勢していた。
 将軍の装甲服は旧式なれど、そのパワーはこの中においては間違いなくトップ。銅殻勇鎧の常軌を逸した馬力を受け、
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