第180話 予期せぬ流血
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姫に向けて、俺は仮面越しに苦笑いを浮かべる。あのレーザーの実態が何なのかはわからないが、ひとまず彼女を守れてよかった。
だが、外部からの妨害があった以上、ここで安心している場合じゃない。速くみんなを連れてここから離脱――
「龍太君、逃げてぇえっ!」
――しようとした時。
救芽井が、今までにないくらい、悲痛な声で叫び。
「……え」
俺の身体は、天井を支えたまま動かなくなった。
何が起きたのか。なぜ、俺はこの格好のまま動けないのか。
得体の知れない恐怖に顔を引き攣らせ、震えているダウゥ姫の視線を追い――ようやく、俺はその理由を知ることができた。
「ぐ、ぶ……!」
――できることなら、もうちょっと早く知りたかったけどな。
俺の胸に、上から落ちてきた鉄骨が、天井越しに突き刺さったってことくらい。
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