第171話 正しさがなくとも
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鮎美先生は頬を染め、楽しげに事実を捩曲げ。
「そ、そそ、そんなにっ……!? どど、どうしよう、私、耐えられるかなっ……!?」
「信用すんなー!」
救芽井は真っ赤な顔を両手で覆い、あらぬ妄想を膨らませ。
「……先輩、ケダモノ……」
「誤解だー!」
四郷は道端に散らばる生ゴミを見るような眼差しで、冷酷に睨み。
「龍太っ! それってどういうことなんっ!?」
「このタイミングで目を覚ますなー!」
矢村はこの状況で覚醒して憤慨し。
「龍太君ッ! 君という人はなんてことをーッ!」
「もう勘弁してくれーッ!」
古我知さんは俺の胸倉を掴み上げ、端正な顔を鼻水と涙で台無しにしながら、猛烈に泣き叫んでいた。
この多方面からの波状攻撃を受けて、耐えられる人間などそうはいない。俺は頭を抱えてうずくまると、カエルの如く飛び跳ねながら部室の外へと逃走するのだった。
「……苦労が絶えんね、君は」
ただ一人の理解者の存在を、認知することもなく。
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