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フルメタル・アクションヒーローズ
第162話 女性、それ即ち恐怖の権化なり
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…あらあら」

「……まぁ」

 彼女達も、これが「よくある話」なのは知っている。ゆえに、一目見ただけで状況を把握してしまえるのだ。
 一瞬にして事態を飲み込んだ彼女達三人は、示し合わせたかのようなタイミングで相槌をうつ。……身の毛がよだつような、ドス黒い声で。

「え――あ、き、君達はもしや――あ、あぁああぁああッ!?」

 ――そこから何があったのか、俺はあまり理解できてはいない。

 耳と目を閉じうずくまり、しばらく続いていた壮絶な振動が落ち着いた後――目を開くと、あの貴族様は跡形もなく姿を消していたのだ。

 何があったのか凄く気になる――が、怖くて何も聞けずじまいだったのは、言うまでもない。

 凄く満足げな三人の笑顔に言い知れぬ恐怖を覚えた俺は、あの貴族様がいた場所に合掌しながら、今日の命を祈るのだった……。

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