第162話 女性、それ即ち恐怖の権化なり
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ず、唯一この場にいない最後の「仲間」。
俺達、松霧高校「着鎧甲冑部」の「OG」の話題を。
「梢先輩なら、今さっき傘下の企業から電話が来たって言って、席を外したところよ。松霧高校を卒業して久水財閥での仕事を本格再開してから、随分と忙しくなったみたいね」
「救芽井エレクトロニクスのスポンサーになってからの一年間、久水財閥は大活躍やったからなぁ。去年は『G型』と『R型』を合わせても二十五台しかなかった『救済の龍勇者』が、今や全部で八十三台やもん。梢先輩と茂さんの財力は、やっぱし半端やないなぁ……」
「そっかぁ……。あの人にも試験勉強で世話になったからなぁ。昨日は合格発表が済んですぐに寝ちまったし、ちゃんと礼ぐらい言わねぇと」
「……礼の代わりにやらしいこと要求されたら、ぶっ叩いてええからな? 本人は悦びそうやけど」
「……梢ならありえる……」
残る最後の仲間、久水梢は一歳年上の幼なじみ。資産家の兄・久水茂と一緒に、日本有数の大財閥「久水財閥」を率いている敏腕秘書でもある。
彼ら兄妹が救芽井エレクトロニクスのスポンサーとして活躍したことにより、着鎧甲冑のシェアは大幅に広がり、日本を始めとした多くの国々に支社を建てることが出来たのだ。さらに久水財閥自身も救芽井エレクトロニクスとの共同事業が成功したことにより、日本財界のトップにのし上がったらしい。
加えて、兄の茂さんは俺が先日に資格を取るまで、最年少資格者の座を欲しいままにしていた文武両道の天才でもある。どこまでもチートな兄妹、ということだ。
一方で、そんな二人が兄妹揃って「性欲旺盛なド変態」であるという事実を把握しているのは、恐らく俺達くらいのものだろう。
……しかし矢村さん。ぶっ叩いても悦びそうってのは言い過ぎではないかね。久水先輩に関しては、言い過ぎに聞こえないのが一番の問題なんだけどさ。
「おお、これはこれは! 救芽井樋稟様ではありませんか!? いやはや、お目にかかれて光栄です!」
――その時。
やけに大きく野太い声が、このラウンジに響き渡った。この声――どこかで聞いたことがあるな。
「あなたは……?」
「あぁ、失礼、申し遅れました。先日、危ないところをかの『レスキューカッツェ』の皆様に助けて頂いた者でしてな。直々にお礼をと参った次第なのですが……まさか、ここであの救芽井樋稟様と出会えるとは! これも何かの縁でしょう。もし宜しければ、今度開かれるパーティーにお招きしたいのですが……!」
「は、はぁ……」
薮から棒にこの場に現れたかと思うと、いきなり救芽井の手を掴んで熱い視線を送り始めた、ぽっちゃり体型の男性。恐らく年
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