第161話 盟友は社長様
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ていた。
そこでの基礎体力試験や救助活動試験、格闘能力試験をくぐり抜け……筆記試験でちょっとだけ躓いたものの、なんとか着鎧甲冑の所有資格を獲得するに至ったのである。
そして、明日になったら大手を振って我が家に帰ろう――と思った矢先で、あの事故だったのだ。
フラヴィさんにバックドロップで起こされたのは少々堪えたが、背中に当たるマシュマロの感覚を味わえたことだし、それに関してはプラマイゼロってことにしておこうと思ってる。
また、あの事故の原因になった爆発についても、現在調査が進められているらしい。
何が原因であんなことになったのかは知らないが、いつも俺達がなんとか出来るとは限らないわけだし、造船会社の人達にはもうちょっと頑張って貰いたいところだよな。
――っと、そろそろ仲間達と一緒に地元に帰る時間だな。あんまり皆を待たせちゃ悪いし、もう行かねぇと……。
「……ふっ。卒業後に我が社に来るなら、状況に応じて深夜に出動する機会も増えるだろう。今のうちに慣れておいた方がいい。――さて、そろそろ時間だな。では、今後の健闘を祈る」
「ああ、失礼する。……またな、甲侍郎さん」
……っていう俺の心境は、甲侍郎さんにはお見通しだったようだ。顔や仕種にでも出ていたのか、こちらに向かって苦笑しながら出発を促して来る。
その心遣いに感謝しつつ、俺は一礼すると踵を返し、仰々しい程に大きな扉を開いて社長室を後にした。
「さて……行くか。皆、待ってるしな」
社長室を出た先の広々とした廊下は、貴族が暮らす王城のように、きらびやかに造られている。
あの豪華客船にも劣らない鮮やかさを持つ、この日本支社の出来栄えを眺めながら、俺は「仲間達」が待つラウンジへと向かった。
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