暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第64話「足止めの戦い1」
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…ここからが本気、って所かしら?」

「……そうね…。暗部らしく、行こうじゃないの……」

 軽く言葉を交えつつも、楯無の目は忙しなく動く。
 どう動くべきか、どこを攻めるべきか、突破口はどこか。
 ……勝機を、如何に見出すか。

「(……ダメね。今の状況では、隙がない。私自ら作らない限り、どうあっても弱点がない)」

 スコールの様子を注意深く見る楯無だったが、無駄だと悟る。
 よって、勝機を見いだせるのは、こちらが攻撃した際だけだと確信する。

「(……殺す気で、かかる!)」

 一呼吸の間に、一気に踏み込み、刀を突き出す。

「(っ、ここっ!!)」

「っ……!」

     ギィイン!!

 一撃目は躱される。直後に反撃が迫るが、そこへ二撃目を放つ。
 楯無に合わせ、出していたブレードでスコールはその攻撃を防いだ。
 何度もカウンターを受けたからこその反応だった。

「ふぅ……っ…!」

「……カウンターに反応してみせるなんてね」

「……更識家、嘗めないでもらえるかしら…?」

「正直甘く見ていたわ。彼の技術も完璧ではないのね」

 即座に間合いを取り、楯無は息を吐く。

「(……隙はあった。けど、それは私が隙を晒している時にしかない。……どうすれば…)」

 楯無が攻撃した直後、カウンターが来る寸前にのみ隙があると、楯無は読んだ。
 だが、楯無も攻撃直後の隙を晒しているため、実質意味がないようなものだった。

「私ばかり見ていていいのかしら?」

「っ……!」

     チュンッ!

 スコールの言葉に、楯無は足を一歩後ろに下げる。
 するとそこへ、セシリア達の方から流れ弾が飛んできた。

「ォオオオオッ!!」

「っ、せぁっ!!」

「(広い部屋とはいえ、混戦状態にもなるわよね……!)」

 さらに、そこへ激しい攻防を繰り広げるオータムとマドカが通り過ぎていく。
 楯無は、それを跳躍して大きく躱す。

「……ふふ」

「くっ……!」

 その隙を、スコールは見逃さない。
 さらに、スコールは何も近接だけで戦っていない。

「(銃も使ってくるなんてね……!)」

 そう。スコールは本来は銃の方を使う。
 “水”と相性がいいから近接武器を使っているに過ぎないのだ。

「(……でも、これで突破口は見えた…!)」

 常に劣勢に加え、流れ弾などの危険性もある。
 ……その状況だからこそ、楯無は突破口を見出した。












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