暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第64話「足止めの戦い1」
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……。

「くっ!」

「ふふっ」

     ギィイン!

 割り込むように、シャルロットとドゥーエがやってくる。
 シャルロットはナイフを、ドゥーエは爪の武装を以って戦っていた。

「っ、させませんわよ!」

「チッ……あらぁ、ばれちゃったわね」

 シャルロットへ向けられたガシェットの攻撃を、セシリアはすぐに撃ち落とす。
 妨害を妨害するという攻防を繰り広げている間にも、シャルロットとドゥーエの戦いは続く。

「やるわね。お姫様?」

「もう助けを待つだけじゃないからその呼び方は気にくわないかな……!」

 互いに、近接攻撃を行いながらも、空いた片手で銃を撃とうとする。
 だが、それはもう片方の手で払いのけ、上手く射線上に入らないようにする。

     ガッ、ギィイン!

「っ……!」

「これでも元スパイの立場だったんだ…!これぐらい、やってのけるさ!」

 銃と銃、ナイフと爪がぶつかり、鍔迫り合いになる。

「へぇ……!」

「っ……!?」

 だが、ドゥーエが少し体をずらした事により、バランスが崩れ、その隙を突いた爪の一撃で、シャルロットはナイフを大きく弾き飛ばされてしまう。

     ギィイン!

「ぐっ……!」

「ほら、どうするのかしら?……っ!?」

「甘いよ!」

 銃で爪の一撃を防ぎ、後退する。
 それを追撃しようとするドゥーエだが、飛んできた弾丸を咄嗟に避ける。
 シャルロットを見れば、ナイフを持っていた手にはもう一丁の銃が握られていた。

「“高速切替(ラピッド・スイッチ)”……生身でも応用すればできるんだよ。……忘れてた?」

「……いいえ、貴女はそういう人だったわね…!」

 シャルロットとドゥーエは、会社にいた時は普通に知り合いだった。
 お互い、ある程度手札は知っていたが……ドゥーエはシャルロットの本当の強さを失念していたのだ。

「(っ、一歩届かない…!)」

「(押しきれない……!)」

 接近しようとするが、一歩届かないドゥーエ。
 二丁の銃で押し切ろうとしても、押し切れないシャルロット。
 互いに攻めきれない状態だった。

「っ!」

「(今…!)」

 銃を撃ちながら後退し、シャルロットは弾かれたナイフを拾う。
 そこを隙を見たドゥーエは、ガシェットに攻撃させる。

「しまっ…!」

「シャルロットさん!」

「ありがとうセシリア!」

 対処が間に合わずにやられそうになった所で、セシリアが射撃で助ける。
 だが、その射撃は隙を晒すもので…。

「がら空きよ!」

「っ……!」

 クアットロのガシェットによる攻撃が、セシリアに迫っていた
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