最終章:夢を追い続けて
第64話「足止めの戦い1」
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ジャキッ!
「っ!!」
「来るぞ!」
銃を構えたゴーレムを見て、ラウラが叫ぶ。
同時に二人は射線から逃れるように全速力で走る。
「(何とかして、ペースを戻さないと…!)」
円を描くように銃弾を避けつつ、簪は接近を試みる。
だが、一定まで近づくと射撃しつつ剛腕を振るってきた。
「なっ…!?」
ギリギリでその攻撃を躱す。
…が、今度は射線上に追いやられてしまう。
「っ…!?」
「呆けるな!」
「っ、ありがとう…!」
だが、それはラウラの援護射撃で逸らされる。
すぐに頭を切り替え、簪は生身用に改造したIS武装の薙刀を振るう。
“水”を宿したその攻撃は、ゴーレムの銃に亀裂を入れた。
「(切断はできなかった…!さすがに、堅い…!)」
完全ではないとはいえ、“水”を宿した一撃は鋭い。
しかし、それでもゴーレムの銃を切断する事はできなかった。
「なら……!」
もう一体の剛腕をするりと躱し、簪は再度攻撃を試みる。
だが、普通に攻撃しても、銃と同じく大したダメージにはならない。
だから、簪はゴーレムの部位の中でも特に脆いであろう部分……すなわち、関節部分を狙った。
ギィイイイン!!
「っ……!(防がれた…!)」
「簪!」
「くっ……!」
だが、その一撃は寸での所で関節部分から外れてしまった。
ラウラの声を聞くと同時にすぐにその場から飛び退いて、態勢を立て直す。
「今の動き、やはり関節部分が弱点か」
「そうみたい。……けど、狙うのは至難の業」
「そのようだな…だが、一応攻撃は通じる」
先程簪が銃に亀裂を与えたように、ゴーレムにも攻撃は通じる。
問題は、生身の機動力でどう当てるかなのだ。
「何とか近づいて攻撃……」
「ああ。銃だけでは威力が足りん」
取るべき行動は分かった。後は実行に移すだけ。
その実行が最も難しいのだが、道筋が見えただけで二人には十分だった。
「ぉおおおおおっ!!」
「っ……!」
繰り出される重く鋭い拳。それを叩き落すように逸らす。
トーレの攻撃を、鈴は上手く逸らしているが……。
「ふっ……!」
「っとぉ…!」
攻撃を逸らすと同時にカウンターを繰り出す鈴。
だが、それはもう片方の手で防がれる。
その際に間合いを取り、一度見合う状態に戻る。
「(……なんて馬鹿力。あれでも上手く逸らせているというのに、それでもダメージを受けてるわね…。ホントに同じ女性なのかっての。……いや、千冬さんとかも同じね)」
痺れる手を隠すように、鈴はトーレ
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