ペルソナ3
1933話
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ら、向こうに手助けしてもおかしくはなかったと思うんだが。
それとも、死神にとってイレギュラーシャドウはイレギュラーであるが故に、仲間ではないのか?
……ないな。
そもそもの話、死神だってイレギュラーシャドウと同様に普通のシャドウとは大きく違う。
転移のような力で現れたり、腕とかを切断されても次に出てくる時には怪我が治っていたり……何より、今のような態度を取るという事は、理性があると言ってるようなものだ。
理性……そう、理性と言っても間違いはないだろう。
「アルマー」
桐条に呼び掛けられるが、俺はそれに黙って首を横に振るだけだ。
死神がどのような意図を持ってここにやって来たのかは分からない。分からないが……それでも、取りあえずのところ、今は俺達と敵対する気はないのだろう。
それには、正直助かったというのが、俺の素直な思いだ。
俺だけの時なら何も問題はなかったが、他にも大勢……ましてや、気絶している山岸もいるのだ。
そうである以上、もしここで戦いになっていれば、非常に面倒な事になっていたのは間違いないだろう。
恐らく何人かには被害が出ていた筈だ。
「どうやら、今回は文字通りの意味で様子見ってところだったんだろうな。それより、山岸を助け出す事には成功したし、満月の夜に現れるイレギュラーシャドウを倒すのにも成功した。となると、もうこれ以上はここにいる必要もないんじゃないか? いつ死神が現れるか分からないんだから、タルタロスを出た方がいい」
「……ふむ、そうだな。正直色々と分からないところは増えたが……それでも、このままここにいて、またあの死神が現れるような事になってはこちらとしても面白くはない、か。分かった。取りあえず寮にでも戻るとしよう。山岸もゆっくりとさせる必要があるしな」
その言葉に真っ先に反応したのは、当然のように有里。
気絶している山岸に近づくと、そのまま横抱き……いわゆる、お姫様だっこで持ち上げる。
見かけだと有里ってかなり細身に見えるんだけどな。
これはペルソナチェンジという能力を持っているが故の事か、もしくは主人公だからこその力か……あるいは、愛故にという可能性もあるだろう。
ともあれ、そのまま山岸を連れて俺達はタルタロスの外に出る。
出たのだが……
「ちょっと……」
タルタロスから出た瞬間、唖然とした表情で呟いたのはゆかり。
当然だろう。もしゆかりが声を上げなければ、俺だって同じような声を上げたのだから。
そう……俺達の視線の先には、本来なら桐条達の住んでいる寮に保護してある筈だった、森山の姿があったのだから。
今は影時間。
だが、そんな影時間の中でこうして動いているという事は、森山もペルソナ能力者なのか?
いや、だが……ああ
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