ペルソナ3
1933話
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が浮かんでいた。
当然死神を見て動きを止めているのは、桐条やゆかりだけではない。
順平、真田、有里の3人も同様であり、山岸なんかは意識を失って床に倒れてすらいた。
イレギュラーシャドウと戦っている時は、全く存在感を表さなかった死神。
だが、俺達に姿を見つけられると、その存在感を消すのを止めたのか今はその強力な存在感を露わにしている。
それでいながら、敵意や殺気といったものがないのは……正直なところ、何を考えての行動なのか、俺には分からない。
今の俺に出来るのは、出来れば戦いにならないように祈るだけだ。
実際、現在の状況で戦いになれば、他の者達を守りながら戦うというのは俺には無理だ。
守らなければならない相手が多すぎる。
特に、気絶している山岸の存在が非常に厄介なのだ。
せめて、ペルソナ使いだったら、まだ何とかなった可能性もあるのだが……
ともあれ、このままお互いに沈黙したまま向かい合っていても、どうにもならない。
何か行動を起こす必要があるだろうと、俺はゲイ・ボルグを手にしたまま1歩を踏み出す。
……そう、階段の方に向かう1歩を、だ。
そんな俺の行動に、ゆかりは特に何も行動を見せない。
まぁ、ゆかりはずっと俺と行動を共にしてきただけに、戦闘に関しては強い信頼感を抱いていてもおかしくはないしな。
だが、桐条は違う。
いきなりの俺の行動に、死神を前にしたプレッシャーを受けつつも口を開こうとし……
大丈夫だ、という意味を込めて視線を向け、小さく頷く。
そんな行動である程度は俺の言いたい事を理解出来たのか、桐条は結局何を言うでもなく黙り込む。
それを見ながら、俺は階段の前にまで移動し……決して死神から視線を逸らさないようにしながら、1段ずつ階段を上がっていく。
このエントランスの階段は、それこそ人が10人くらい並んでも余裕で上れる程度の広さを持つ。
そうである以上、俺1人で階段を上るというのはどこか妙な感じがするな。
……死神を前にしても、今の俺にはそう思うだけの余裕があった。
そうして1段、また1段と階段を上り……やがて俺の姿は、死神の前に出る。
背中には、ゆかりや桐条を含めて大勢の視線を感じる。
「消えた……?」
背後から聞こえてくるゆかりの声。
その声を聞きつつも、俺は一応警戒を解かずに周囲の様子を窺う。
もしかしたら、こっちの油断を誘う為にそのような真似をしているのではないかと、そう思った為だ。
だが、こうして見ている限りではそのような様子はない。
となれば、本当に撤退したのか?
にしても、何の為にここにいたんだ?
いや、予想は出来る。
俺達とイレギュラーシャドウの戦いを見守っていたのだろう。
同じシャドウなのだか
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