第1章 ヒーローの凱旋
第158話 ドラッヘンファイヤー、出動
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
の風船のようなモノなのだ。
俺に続いて飛び降りてきた隊員達も、腰に装備している酸素タンクを自分達の白いマントに注ぎ、次々と真っ白なゴムボートを作りながら海上に着地している。
……いいなー、俺なんか酸素タンクが頭の角にしかないから、ゴムボートを作ったら角が萎んで犬耳みたいになっちまうんだぞ。カッコ悪いったらありゃしない。
――ま、それで助かる命があるなら安いものさ。
「よし、全員ゴムボートは用意できたな! これより、乗員乗客の回収に向かう! 船の沈没で渦が出来たら、救助が困難になる! みんな、急いでくれっ!」
「了解!」
俺の指示を受け、隊員全員が声を張り上げる。既にここにいる全ての隊員が、自分が作ったゴムボートの上に着地していた。
今の俺達の使命は、海に投げ出された人々を一人残らず救出すること。特に救命胴衣を持たない人間は、救出を急がなければ力尽きて海に沈んでしまうだろう。
事態は、一刻を争うのだ。
「なんとしても、全ての人間を救い出す」。
眼前でもがき苦しみながら、助けを求めて叫びを上げる、夥しい数の人々を目の当たりにして――俺は、己の任務を再確認させられたのだった。
「……さぁ、作戦開始だッ!」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ