暁 〜小説投稿サイト〜
フルメタル・アクションヒーローズ
第1章 ヒーローの凱旋
第158話 ドラッヘンファイヤー、出動
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の風船のようなモノなのだ。

 俺に続いて飛び降りてきた隊員達も、腰に装備している酸素タンクを自分達の白いマントに注ぎ、次々と真っ白なゴムボートを作りながら海上に着地している。
 ……いいなー、俺なんか酸素タンクが頭の角にしかないから、ゴムボートを作ったら角が萎んで犬耳みたいになっちまうんだぞ。カッコ悪いったらありゃしない。

 ――ま、それで助かる命があるなら安いものさ。

「よし、全員ゴムボートは用意できたな! これより、乗員乗客の回収に向かう! 船の沈没で渦が出来たら、救助が困難になる! みんな、急いでくれっ!」
「了解!」

 俺の指示を受け、隊員全員が声を張り上げる。既にここにいる全ての隊員が、自分が作ったゴムボートの上に着地していた。

 今の俺達の使命は、海に投げ出された人々を一人残らず救出すること。特に救命胴衣を持たない人間は、救出を急がなければ力尽きて海に沈んでしまうだろう。
 事態は、一刻を争うのだ。

 「なんとしても、全ての人間を救い出す」。
 眼前でもがき苦しみながら、助けを求めて叫びを上げる、夥しい数の人々を目の当たりにして――俺は、己の任務を再確認させられたのだった。

「……さぁ、作戦開始だッ!」

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