第1章 ヒーローの凱旋
第158話 ドラッヘンファイヤー、出動
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降り立って行った。
さながら、地上へ舞い降りる天使達のように。
『――ッシャアアァアア! いくぜ野郎共ォオォオオラァッ!』
……着鎧した途端、フラヴィさん以上に荒ぶり出したジュリアさん本人だけは別として。
「よしッ……! 俺達も行くぜッ! 総員降下ッ!」
「はッ!」
そして、隊長と副隊長が無事に船上に着地して、各々の双丘を盛大に揺らしている頃には、俺達もマントを靡かせヘリから一斉に飛び出していた。一人だけ両角の付いた赤い奴が居たり、三分隊で唯一「マント」を装備した集団だったりとイレギュラーな要素があるせいか、乗客達の注目を一番集めているような気がする。
――余談だが、フラヴィさんとジュリアさんは両方とも部隊随一の巨乳だ。
加えてどちらも体格や(根っこの)性格がほぼ同じなので、着鎧によって顔が隠れている場合、彼女達を見分ける際には胸の揺れ方を見定めるテクニックが要求されるのである。
着地時の揺れ幅が大きく、ぶるるんっと派手に揺れるのがフラヴィさん。彼女程の大きさには至らないため、ぷるんっと小さく揺れるのがジュリアさんだ。
今回は分隊ごとに役割が割り振られてるから、そんなところを見なくてもどっちがどこを担当しているのかはすぐにわかるのだが――今の俺なら、その情報がなくたって二人を判別出来るんだぜ。ドヤァ。
「一煉寺分隊長……」
……などという意味のないスキルに酔いしれてる場合じゃねぇ。なんか後ろの隊員達の視線がヤベェぞ。
そろそろ――俺も本領発揮と行くか。
「各員、ディヴィーゲマント展開ッ! 誰ひとり見落とさないでくれよッ!」
まっすぐに船上へ飛び降りていく他の二分隊とは違い、俺達は船の近くの海上へ降下していた。風を切る音にヘリのローター音がかき消され、視界に大海原が広がっていく。
眼前に迫る、月明かりと炎に照らされた海面。そこへ仮面越しの視線を集中させ、俺は背に纏っていた赤いマントを空中に広げると、ベルトに装着されたバックパックから一本のチューブを引き抜いた。
そして「救済の超機龍」の特徴である頭部の両角にチューブを繋ぎ、マントにも同様に接続する。
すると、俺の両角に詰まっている「空気」が、マント「だったもの」を際限なく膨らませていく。まるで、風船のように。
「おしっ……!」
そして、俺の身体が海に激突するよりも早く――深紅のマントだったはずの物体は、全長二十メートルにも及ぶ、真っ赤な巨大ゴムボートに大変身していた。
――「R型」の基本装備である、大量の空気を詰めた酸素タンク。それを特殊ゴムで構成されたマントに注ぎ込むことで、巨大かつ丈夫なゴムボートを、一瞬で作り出してしまうのだ。
いわばこのディヴィーゲマントは、空気を吹き込む前
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