第三十七話 極寒の地その四
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「ないからな」
「仕方ないでござるな」
「俺も野菜があればよかったさ」
鍋の具にだ。
「本当にな」
「味でも栄養でも」
「どっちの意味でもな、しかしないからな」
「我慢してでござるな」
「ビタミンは茶で摂って口直しもな」
「お茶で、でござるな」
「そうしような、パンもあるしな」
久志はその固いパンの話もした、保存食のパンなので固いのだ。彼等の世界で言う乾パンであるのは言うまでもない。
「こっちも食おうな」
「あとはこれだな」
正は言いつつ唐辛子を出した。
「これも食うか」
「それもビタミンだからな」
「ああ、かなり多いからな」
唐辛子にはビタミンが多くある、それで出したのだ。
「これも食おうな」
「そうしような」
「辛いから丁度いいだろ」
「肉をメインに食うにはな」
「もう肉は塩と胡椒で味付けしてるけれどな」
鍋の中に多く入れてそうして煮ているのだ。
「これも食おうな」
「ああ、ビタミン補給も兼ねてな」
「そうしていこうな」
実際にだ、久志は唐辛子も受け取って口の中に入れて噛んだ。すると相当な辛さが口の中を襲った。それと共に食欲も湧き。
肉を食う、それで笑ってこう言った。
「いや、美味いな」
「そうですね、唐辛子も共に食べますと」
順一も唐辛子を食べてから肉も食べて言った。
「さらに美味しいです」
「肉がな」
「肉はやはり香辛料がないと」
「駄目だよな」
「匂いもきついですし」
「それに味もな」
「全く違います」
香辛料のある無しで、というのだ。
「この様に」
「ああ、この島は香辛料が多くて何よりだぜ」
「特に胡椒だね」
源三はこれを出した。
「前も話したけれど」
「ああ、肉には胡椒が一番だよな」
「何といってもね」
「和食にはないからな」
「そうそう、和食だとね」
「胡椒よりも山葵とか生姜か」
「香辛料はね」
こういったものになるとだ、源三も言う。
「生姜は特にいいよ」
「身体にもな」
「そう、だからね」
「よく食うべきか」
「あれと大蒜はね」
「大蒜も身体にいいしな」
「そっちも食べてね」
勿論大蒜も香辛料に入る。
「健康も考えないと」
「だったら持って来たらよかったな」
大蒜もとだ、久志は少し悔やんだ顔になって言った。
「今も鍋に入れられたしな」
「そうだよね、それは」
「まあ今言っても仕方ないな」
「うん、今度から持って行こうね」
「大蒜は香辛料にもなって身体にもいいからな」
「かなりいい食べものだよね」
「ああ、吸血姫にも役立つしな」
久志は笑って彼等の世界でよく言われることを言った、しかし順一はこのことについてすぐにこう言った。
「いえ、それはです」
「ああ、吸血姫によるか」
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