第三十七話 極寒の地その一
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第三十七話 極寒の地
一行はコペンハーゲンを出てさらに北に向かうことにした。だが街を出て暫くしてだ。彼等は吹雪に襲われた。
前かr横殴りに来る雪と風を受けてだ、久志は苦しい顔で仲間達に言った。
「おい、もうな」
「これ以上はだね」
「進めないだろ」
こう言うのだった。
「だから今日はな」
「これでだね」
「テント張ってな」
彼等が持っている魔法のテントをというのだ。
「そうしてな」
「休もうか」
「これ以上進もうとしてもな」
「そうだね、吹雪に負けるかね」
淳二が応えて言ってきた。
「はぐれるかだよ」
「どっちにしてもよくないからな」
「今みたいな時は」
「もう休むか」
「うん、おいらもそれがいいと思うよ」
「他の奴もそうか?」
久志は淳二以外の他の仲間達にも尋ねた、全員まだ何とか近くに彼等の馬や驢馬達と共にいるとわかる。それで聞いたのだ。
「休むか?」
「これは仕方ないですね」
「休んだ方がいいよ」
「さもないとはぐれるか倒れるぜ」
「このまま言ってもでござる」
「よし、全員賛成ならな」
尚久志はここでは多数決でいくつもりだった、賛成の者が多ければそれでもう今日は休むことにする考えだった。
「安心だな、じゃあテント出すな」
「そうしてですね」
「休もうな、吹雪が終わるまでな」
「では馬や驢馬達のテントも出しましょう」
順一は彼等の為のそれの話もした。
「そうしましょう」
「勿論だよ、じゃあ出してな」
「そしてですね」
「行こうな」
是非にと言うのだった、そしてだった。
久志はすぐに自分達と馬や驢馬達のテントの両方を出してだった、すぐに立ててその中に全員それぞれのテントに入れて最後に自分も入ってだった。
その中で暖を取ってくつろぎながらだ、こう仲間達に言った。
「いや、あの吹雪だとな」
「先に進もうにもね」
「いいことはないからな」
源三にウォッカを飲みつつ話した。
「本当に」
「いい判断だと思うよ」
「だよな、下手に進んでな」
「迷ったりしたらね」
「どうしようもないな」
「こうした話は実際多いから」
「吹雪の中無理して進んでか」
それでとだ、久志は源三に問うた。
「それでだよな」
「遭難するとかね」
「多いからか」
「だから無理はしない方がいいよ」
「それが賢い進み方か」
「冒険のね、だからこうしてね」
酷い吹雪の時はというのだ。
「休もうね」
「ああ、飯食って酒もな」
「こうして飲んでね」
「吹雪が止むのを待つか」
「そうしようね」
「ああ、しかしこのウォッカはな」
久志は今飲んでいるそのウォッカの話もした。
「随分強いな」
「それで六十度らしいぜ」
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