第150話 ヒーローの始まり
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
着鎧甲冑部への入部を希望。驚く校長は、自らの財力や頭脳を武器に、入部を迫る彼女達の勢いに押し切られてしまった。そして、ついに部員を五人揃えた「着鎧甲冑部」は、正式な部活動としてのスタートラインに立ったのである。
しかしアイドル級の美少女揃いでありながら、これ以上部員が増えることはなく、九月下旬を迎えた現在でも部員数は一切変動していない。彼女達が高嶺の花であり過ぎることと、龍太に周りが気を遣っていることが、その背景であった。
そして、この正式な認可の決め手となった「顧問」は――
「こんちはー……って、あら? 今日は随分と早いじゃない、龍太君。珍しいわねぇ」
「鮎美先生ェ……いいのかよ、保健室の先生が抜けてきちまってよ。まだ向こうに居なきゃならない時間帯だろ」
「まーまー、硬いこと言わないの。あなたは言葉よりあそこを硬くした方がいいわよ。……それに消毒液臭いところで退屈するより、ここで皆とだべる方が楽しいじゃない!」
「さらっと本音ぶちまけやがった……保健室の概念が泣くぞ」
――四郷鮎子の姉にして、現在の松霧高校養護教諭、四郷鮎美である。妹の電動義肢体を作り上げたその頭脳を駆使して、新任の養護教諭としての地位を手に入れた彼女は、着鎧甲冑部の顧問を兼任することで部活の認可に貢献したのだ。
現在、この姉妹は救芽井が買い取ったマンションの一室を借り、救芽井エレクトロニクスの使用人達の保護を受けながら暮らしている。梢も同様だ。
「それにしても、梢ちゃんも相変わらずよねぇ。最近、欲情っぷりに拍車が掛かってない?」
「ゴ、ゴホン。よくおわかりですわね。その通り! 日々膨らんでいく龍太様への想いは、毎晩のようにワタクシに絡み付いて、焼き付くように燃え上がり……!」
「頼む久水先輩、いやお願いします先輩殿! 後生だから、男の前でその仕種はらめぇえぇえ!」
傲慢な程に豊かな胸から、扇情的にくびれた腰にかけて、艶やかな梢の指先が自らの肢体を撫で下ろす。その淫靡な仕種に、龍太は堪らず己の下腹部を抑えて前屈みになってしまった。まるで、急所に致命的な一撃を受けてしまったかのように。
「大丈夫ですわ龍太様、あなた様がナニかを我慢する必要など皆無ざます! もう一人目の子供の名も決まっておりましてよ! 龍太様の名とワタクシの願いを込め、男女問わず『龍生』と名付けましょうッ!」
「ぐふぁッ! お、お前の人生設計で俺のティルフィングがヤバいぃぃいッ……!」
そこへ追い撃ちを掛けるかの如く、梢はただでさえ巨大な胸を更に寄せ上げて見せた。痛恨の一撃を同じ部分に喰らい、健全な少年はついに床に額を付けてうずくまってしまう。
鮎美が指摘した通り、梢の性的アプローチは日を追うごとに過激さを増していた。それこそ、同じ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ