暁 〜小説投稿サイト〜
フルメタル・アクションヒーローズ
第147話 迫り来る終末
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
烈な追及を続ける母さん。俺はそのあんまりな言い草に「さすがにマズい」と判断し、止めに入ろうとしたのだが……その言葉を遮って、救芽井が凛とした声を上げる。

 揺るぎない信念を宣言するかのように、その声色に曇りはない。さながら、先陣を切って戦場に立つ英雄のようだ。

「今回の件を受け、本社では『救済の超機龍』を含めた着鎧甲冑全体の装甲強化が検討されており、着鎧する資格者の保護に重点を置くスタンスが確立されようとしております! もちろん、両方のシステムを兼任できる龍太君の活動を、バックアップする計画も進行中です! 龍太君を無益に傷つけないための整備に、抜かりはありませんッ!」
「……あら、まぁ」
「お義母様ッ! 確かに今回は我社の計画のために、御子息を傷つけてしまいました! ですが、それでも龍太君は――『着鎧甲冑で救う仕事を続けたい』と、言ってくれたんです! 私は、その気持ちに応えたい! どうか今一度、私にそのチャンスを与えてくださいッ!」

 全身全霊を込めた、本気の説得。彼女の姿勢は、まさしく真剣そのものであった。
 周囲を圧倒する、そのありったけ真摯さを母さんにぶつけ――最後に彼女は、深々と頭を下げた。

 母さんはそんな彼女の全力を目の当たりにして、「困ったわねぇ」と頬を撫でている。
 一見すると、今まで通りに笑っているように見えるが――その目は、何かを見定めるようにスゥッと細められていた。まるで、獲物を見つけた鷹のように。

「……久美。本人達にここまで言わせれば、お前も十分だろう。この子らは、自分達で何とかしてみせると言っておるのだ。子を守るのが親の役目なら、『見守る』のも役目の一つだ」
「あなた……」
「なに、心配ない。これからは俺が龍太を鍛えるんだ。本人が言う通り、『どんな危険も跳ね返せる男』になるさ」

 ――へ?

「お、親父? 親父が鍛えるって、どういうこった?」
「お前のことだから、今後もその道を進みたがるだろうと思ってな。昨日のうちに龍亮と話し合い、あいつからお前の師匠役を引き継ぐことになったのだ。松霧町の近くに転勤になったから、俺だけ町に帰ってくることになったしな」
「そーそー、生半可な鍛え方のせいで死なれちゃ、一煉寺の名折れだもんな。いっぺん絞られてみたらどうよ、ウェヒヒ」
「う、うそぉおおぉおんッ!?」

 なにそれ死ねる。なんでこのタイミングで親父が帰ってくるんだよッ! せっかく一人で、死なない程度に鍛えられるメニューを考えてたってのに! つーか兄貴、そのムカつく笑い方はやめろッ!

 ……や、やべぇ、親父の修練なんて耐えられるのか!? 戦闘ロボットを素手で破壊する兄貴でさえ、音を上げるレベルだって聞いてるぞ!?

「技に関してのお前の成長速度は、俺や龍亮を遥かに凌いでい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ