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フルメタル・アクションヒーローズ
第147話 迫り来る終末
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いうの?」
「危ない目に遭わなきゃいいんだ。俺は、今よりもっと強くなる。今回みたいな危険なんか、無傷で跳ね返すくらいにな。それに……拳法をやらせたくなかった、っていう母さんの気持ちには応えられないかも知れないけど、『命を助けるため』の仕事なんだから、拳法で戦うばかりにはならないよ。必要かも知れないから、鍛えるだけだ」
「――命を助ける、ため?」
「ああ。助けに行くための力で、助けられる人間を助ける。無茶でもなんでもない。自分にできる、自分にやりたい仕事ってだけなんだよ」

 笑顔のまま訝しむ母さんに、俺は畳み掛けるように説得を試みる。救芽井が誇りを以って形にしてきた着鎧甲冑を、本人の前で否定されるわけには行かない。
 確かに痛い目には遭ったかも知れないが、今回みたいにボロボロになるまで殴り合ったり、死にかけたりするような事態が、ホイホイと繰り返されるわけじゃない。そうならないための「着鎧甲冑」で人助けをしようってんだから、無理な筈はないんだ。

「その無茶じゃない仕事のために、太ぁちゃんが危ない目に遭ったってこと? 着鎧甲冑って、本当に頼りになるのかなぁ? ママ、心配」
「大丈夫なはずだ。……いや、絶対に大丈夫。久水達が味方に付いてくれたおかげで、救芽井エレクトロニクスも軌道に乗ったって話だし、着鎧甲冑は今より頑丈になるさ。俺自身も強くなって見せるし、もう母さんに心配掛けるようなことにはならねぇよ。だから――俺にもう少し、チャンスをくれないか、母さん」
「……ふぅん?」

 母さんは相変わらず苦笑した表情のまま、救芽井の方に顔を向ける。再びあのオーラを当てられ、彼女の肩は一瞬怯んだように跳ね上がった――が、その眼は屈してはいない。

 救芽井自身、言われっぱなしではいられなくなったようだ。明らかに、気圧されていた時とは異なる雰囲気を纏っている。

「救芽井さん。あなた、太ぁちゃんに『危険な戦い』に向かう仕事をさせてるんじゃないかしら? 仕事を任せる以上、フォローしてあげる責任はあると思うんだけどなー……?」
「……災害救助が主である以上、レスキューに向かう資格者の安全が、完璧に保障されることはありません。G型は格闘能力が要求され、R型はレスキュー能力が重視されていますが、龍太君ならそのどちらにも適応できる、という期待があります。それゆえに、彼に――『救済の超機龍』に掛かる負担も軽いものではないでしょう。災害と戦うにしても、人間と戦うにしても、彼の活動に危険が付き纏うのは、否定できません」
「そう。じゃあ太ぁちゃんに夢と力を与えておいて、もし万一のことがあったら、太ぁちゃんのせいにするのね?」
「お、おい母さん! いくらなんでも言い過ぎ――」

「――ですが、お義母様!」

 救芽井に対し、にこやかな笑みに反した苛
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