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フルメタル・アクションヒーローズ
第145話 お見舞いラッシュ
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状って……そうねぇ。例えるなら、『敏感過ぎて大好きな龍太君に触れられるだけでイッちゃう病』……ってとこかしら? あなたの鈍さも、ある種の病気なのかもね」
「お姉ちゃんッ!」

 鮎美さんの語る謎病名に俺が首を傾げる瞬間、四郷が珍しく怒号を上げる。しかし、病気レベルの鈍さとは心外だな。俺は至って健常者だぞ。

「……ったく。で、『ビンカンスギテダイスキナリュウタクンニフレラレルダケデイッチャウ病』ってのは、どんな病気なんだ」
「一煉寺さんも復唱しないでいいからッ!」
「そういうわけにも行かないだろ。普通とは違う身体になったんだ、病気の症状も普通じゃないかも知れない。何かあった時のために対処出来るように情報を揃えておくのは、何事にも適する鉄則だ。というわけで鮎美さん、説明してくれ」

 なぜか俺まで怒鳴られてしまう――が、ここで引き下がるわけにはいかない。今こそ、「情報収集」が大切という救芽井の教えが真価を発揮する時だ。

 俺は周囲の冷たい反応を敢えて無視すると、鮎美さんに状況説明を仰ぐ。

「……はぁ、わかったわよ。いい? 今の鮎子の身体は、エクスタシーを含めた感覚全てが鋭敏になってるの。そこに性的なニュアンスを意識させるあなたが触れることで、鮎子の脳が急激に性ホルモンを分泌され――」
「い、い、いやぁあぁああぁッ!」

 すると四郷が突然、鼻先まで赤くなりながら叫び声を上げ、鮎美さんの解説を遮ってしまった。なんだ、一体何が起きた! もしかして、例の病気が悪化して……!?

「じ、地獄や……これはキツいでぇ……」
「あぁ、龍太君……確かにそうは言ったけど、それをここで活かしちゃダメぇ……」
「無意識のうちに、鮎子をあんなに……さすが龍太様ざます……! い、いつかはワタクシも……!」

 一方、矢村は悍ましい光景を見るように顔を引き攣らせ、救芽井は頭を抱え、久水は何故か目を輝かせている。おい久水、お前親友だろう! なんで悦んでらっしゃるの!?

「ハハハ、『英雄色を好む』――と云うのかな? 若いだけあって、なかなか『盛ん』なようだ」
「龍太君、君という人は、本当に全く……」

 伊葉さんは微笑ましそうに見てるだけだし、古我知さんも何故か呆れてるだけだし。何か手を打とうにも、鮎美さんから話を聞かなきゃどうしようもないし、聞こうとしたら四郷本人に阻まれるし……あぁああッ、どうすれば、どうすればいいんだッ!

「へーい、邪魔するぜ龍太ァ」

 その時、どこか聞き慣れた声が病室に響き渡る。なんだ……? こんな時に、一体誰なんだよッ!
 俺はキッと声が聞こえた方へ、鋭く視線を移し――目を見張った。

「あっ……兄貴ッ!?」
「おぉー……なんとまぁ。ゴロマルさんから話は聞いてたが、見ねぇ間に男のツラにな
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