第139話 俺と貴様の最終決戦
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て彼を殺す気にはならない。俺は、そういう「怪物」なのだから。
そうして、ふらつきながらも立ち上がった先には――あの鋼鉄の巨体が立ち塞がっていた。
「クッ……!」
くぐもった声色で呻く俺は、鉄兜の奥に潜む凶眼を見据えると、腰を落として静かに身構える。一瞬であの首を刈り取れと、握り締めた左拳に命じて。
そこから僅かに間を挟み、
「フゥッ……ハァアアァアッ!」
矢のように飛び出して静寂を破る俺の身体。さらにそこから打ち出された左の突きが、瀧上の顔面に直撃する。
「ゴゥッ! ガ、ゴォオォオッ!」
だが、その程度では首を取るには至らず、すぐに向こうの反撃が始まってしまった。唸りを上げて振りかぶられた右の鉄拳が、覆いかぶさるように振り下ろされる。
「グッ……ウ!」
コイツに直撃すれば、今の状態でも頭蓋骨まで砕かれる。咄嗟にそう判断した俺は、瞬時に身体を捻って回避行動に移った。空中で回転する俺の頬を、貨物列車のような剛拳が掠めていく。
この鈍重な身体では、どうしても回避がギリギリになってしまうらしい。確実に避けられるタイミングだったはずなのに、マスクの左頬から下顎までの部分が見事に剥がれてしまっている。
そこから間髪入れず、瀧上の巨大な回し蹴りが、辺り一帯を薙ぎ払う勢いで迫ってきた。だが、正面から顔面を殴られて脳を揺らされたのが効いたらしく、姿勢はぐらついていて体重も乗っていない。
これなら……凌げる!
「ハァッ!」
地面に着地した瞬間、俺は左側から襲って来る鋼鉄の足を、左腕の外腕刀で受け止める。生半可な体勢から繰り出された蹴りには、やはり見かけ程の威力はなかった。
「ホワァアアッ!」
俺はそのまま停止してしまった彼の足を踏み台にして、鉄兜に再び襲い掛かる。人工筋肉の肥大によって増量された体重を武器にした、俺の飛び膝蹴りが彼の眉間に激突した。
「ガゥオッ!? ガォ、ゥオ、ァアァアアアッ!」
「うがッ――ァアァアッ!」
しかし、その一発でも決着を付けるには足りなかったようだ。のけ反っていた首を振り、一瞬だけ油断していた俺に頭突きを見舞った瀧上は、追い撃ちを掛けるように左のボディブローを振るう。
脳を揺らし返され、視界や判断が鈍っていた俺には、その一撃をかわすことなど出来ない。腕を十字に組んで受け流そうとしていた俺の身体は、体重が増しているにも関わらず容易に吹き飛ばされてしまった。
瓦礫に身体中を削られながら、地面を滑走していく。その勢いが止まった頃には、俺は俯せのまま、金縛りに遭ったように動けなくなっていた。
「うぁッ……が、ぁああぁあぁ……ッ!」
――やはり、この状態では「救済の超機龍」にも俺自身にも、かなりの負荷が
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