第128話 四郷鮎子、散る
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
接続機に繋がれてしまったのだ。
接続機は彼女の頭の大きさに対応するように自動で収縮され、まるで初めからこうなる予定であったかのように、整然と収まっている。
コックピットに踏ん反り返り、怪しい機械に縛られた四郷の首を掲げる瀧上さんの姿は、「正義のヒーロー」とは対極の世界に踏み込んでいるようにしか見えない。
だが、彼にその自覚はないだろうし、指摘されたとしてもそれを認めることはないのだろう。
……これが、彼の胸中に在る「正義」の概念だとするならば。
「バッ……バカなッ! 四郷鮎子君の脳波で『新人類の巨鎧体』を動かすつもりだと……!?」
そして、彼の思惑を甲侍郎さんが言い当てる瞬間、コックピットの周囲が鈍く光り――
「貴様らの命運もここまで。……行くぞ、鮎子。正義執行だ……!」
――赤褐色の巨人が、新たな産声を上げようとしていた。
その時、俺は。
『……泣かないで。お姉ちゃん』
聞こえるはずのない彼女の声が、聞こえたような気がしていた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ