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フルメタル・アクションヒーローズ
第128話 四郷鮎子、散る
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接続機に繋がれてしまったのだ。
 接続機は彼女の頭の大きさに対応するように自動で収縮され、まるで初めからこうなる予定であったかのように、整然と収まっている。

 コックピットに踏ん反り返り、怪しい機械に縛られた四郷の首を掲げる瀧上さんの姿は、「正義のヒーロー」とは対極の世界に踏み込んでいるようにしか見えない。
 だが、彼にその自覚はないだろうし、指摘されたとしてもそれを認めることはないのだろう。
 ……これが、彼の胸中に在る「正義」の概念だとするならば。

「バッ……バカなッ! 四郷鮎子君の脳波で『新人類の巨鎧体』を動かすつもりだと……!?」

 そして、彼の思惑を甲侍郎さんが言い当てる瞬間、コックピットの周囲が鈍く光り――

「貴様らの命運もここまで。……行くぞ、鮎子。正義執行だ……!」

 ――赤褐色の巨人が、新たな産声を上げようとしていた。

 その時、俺は。

『……泣かないで。お姉ちゃん』

 聞こえるはずのない彼女の声が、聞こえたような気がしていた。

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