第127話 惨劇の再来
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上さんに迫る瞬間――彼は、上腕に装着されていた光る鞭を発射するパーツを外し、俺達にぶつけてきたのだ。
これにはさしもの「必要悪」も反応仕切れなかったのか、ダガーで受け流すことが出来ず、正面から刀身で防御することにより、辛うじてダメージを免れていた。俺に至っては腹部にモロにパーツアタックを受けてしまい、ハエの如く撃ち落とされてしまう。
そして、落下していく俺が、上下に反転した視界の中で見たのは――久水を助けるべく、姉を跳ね退けて瀧上さんに立ち向かう四郷の姿だった。
マニピュレーターの拳を振り上げ、勇敢に挑む機械仕掛けの少女。そんな彼女を前にした瞬間、瀧上さんは久水に向けていた首を、急激に彼女の方へ捻る。
――今まで、誰に邪魔されても久水だけを見据え続けていた彼が、急に四郷を凝視するようになった。
それが意味するもの。
「……まさか。狙いは最初からッ……!?」
それに気がついた時、俺は届きもしない手を必死に四郷に伸ばしていた。
巨大な鉄拳を一撃で破壊する、魔王の豪腕。その圧倒的な力の前に、成す術もなく我が身を砕かれていく機械の少女。
もはや、原形など、ない。
残されたのは、力無く宙へと舞い上がる、水色の髪を靡かせた彼女の首一つだけなのだから。
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