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フルメタル・アクションヒーローズ
第126話 鮎美の賭け
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ッチリと瀧上さんの鉄兜に嵌まり……やがて、コックピット内のあらゆる場所が発光を始める。

「さぁ――正義執行だ」

 そして、彼の皮肉めいた一言と共に、巨人による殺戮が始ま――

「……?」

 ――らなかった。

「なんだと……これは……」

 低くくぐもったような彼の声色からは、先程までのような高揚の色が失せていることがわかる。彼の思惑に絡んだ状況ではないようだ。
 今まさに動き出そうとしていた瞬間を迎えても、一向に暴れる気配を見せない「新人類の巨鎧体」。その顔面にあるコックピットの中で、彼は首を左右に回していた。
 ――まるで、故障箇所でも探しているかのように。

 そして、そんな彼を静かに見つめていた所長さんは、僅かにため息をつき――

「……効いたみたいね。私の『賭け』は」

 ――哀れむような声で、何かを呟いていた。

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