第124話 釈迦の掌上
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々出来が違っておりましてよ。ワタクシは龍太様と鮎子のためとあらば、どんな者でも思うままに操ってご覧にいれますわ。あの半人前のスーパーヒロインも、あのツッパゲールも、あの役立たずな豚共も、あの機械人形共も、みなワタクシという釈迦の手で踊らされる孫悟空に過ぎませんのよ……フォッフォフォフォ……!」
「必要悪」の問い掛けに、久水がなんて答えてるのかは遠すぎて聞こえないのだが――あの悪魔のようなドス黒い笑みを見れば、大変教育によろしくない内容を口走っていることだけはなんとなくわかる。
……って、おい! まさか四郷にまで戦わせようってのか!?
「――恐れることはなくってよ。あなたのパワーなら、あんな奴らなど容易く蹴散らせますわ。……龍太様を愛しいと想うなら、自分の気持ちに背いてはなりません」
「――ッ! う……うんっ!」
久水は一転して穏やかな顔になると、僅かに震えていた彼女の双肩を抱き、その小さな耳元に何やら優しげに囁いている。何を言われたのかはわからないが、四郷も彼女の言い分を受けて、奮起するように細い拳を握り締めた。冷たい機械に覆われているはずの彼女の頬は……なぜか今、ほんのりと赤みを帯びている。
正直なところ、四郷のことは心配で仕方ないし、戦わせたくなんかないのだが――あんな仲睦まじい親子のような絵面を見せ付けられると、何故か口出ししにくくなってしまう。割って入るのが困難な世界……とでも言うのだろうか。
だが、本人同士が納得しているとは言え、決して大丈夫とは限らない。
「必要悪」が傍に居るとは言え、四郷の安全が絶対に保証されるわけではないのだから、いざという時は何がなんでも俺が助けに行かなくては……!
「いくよ……! マニピュレートアーム、展開ッ……!」
そして、四郷は「新人類の身体」の姿へと変身を遂げると――「必要悪」と共に、アリーナへと降り立った!
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