第123話 ヒーローを統べる女帝
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み――通信機能で全ての着鎧甲冑の所有者に命令を下した。彼女の指示に従え、と。
次いで、久水が両腕を交互に動かし――魔法陣でも描くような、あの動きを披露した瞬間。甲侍郎さんの脇を固めていたG型二名が、突然蜘蛛の子を散らすように左右に飛び出してしまった。しかも、俺の傍にいたR型部隊も、全員俺から離れて客席の方に向かおうとしている。
……これが久水の指示、ということなのか!? 「新人類の将兵」との接触も目前だってのに、あの娘、一体何を考えて――!
「……龍太君を守りたいって気持ちは、私も一緒だからね。ちょっともやもやするけど、今回だけはあなたに従ってあげる!」
「梢よ、我々の指揮は任せたぞ!」
――すると、ディフェンドゥーズサインを理解できない俺を除く「全員」――つまり救芽井や茂さんまでもが、彼女の指示を受けて、その場から離れてしまった。救芽井は甲侍郎さんのいる場所へ、茂さんは俺のいる場所へと向かっている。
「……なるほど、そういうことね」
「考えたな、梢君」
どうやら、わかっていないのは俺だけらしい。客席から事態を見守っていた所長さんと伊葉さんは、久水の指示に納得したように頷いている。救芽井まで前線に出すなんて、あの娘、一体どういうつもりで指示を出してるんだ……!?
「――来たかッ!」
だが、久水の命令内容にいつまでも疑問を抱いている場合じゃない。とうとう眼前にまで迫ってきた「新人類の将兵」が、肘に取り付けられた刃を振るって襲い掛かって来る!
俺は反射的に身を引いてそれをかわし、即座に腰を捻り――その鋼鉄の顔面に、体重を乗せた突きを見舞う! だが、やはり効果は薄い……! しかも回避のプログラムまでされているのか、数発に一発はかわされてしまう。
それだけじゃない。こいつら、一体一体の動きは遅いのだが、数体が時間差で攻撃を仕掛けて来るため、かなり執拗な連続攻撃になっているのだ。
かわした弾みに切り裂かれた床を見れば、一撃でもまともに喰らえば着鎧甲冑でも「痛い」じゃ済まないのは自明の理。白い床に痛ましく刻まれた、湯気を上げる刃の跡が、その威力を如実に物語っている……!
――その時だった。
「待たせたな一煉寺龍太ッ!」
横槍を入れるように駆け付けた茂さんの一撃が、俺に迫る「新人類の将兵」達を、いともたやすく蹴散らしたのは。
――俺の拳もある程度は避けていた連中に、不意打ちとは言えここまで見事に電磁警棒の一振りが決まるなんて……! しかも、俺がどんなに突きを入れても歩みが止まらなかった連中が、一発で同時に何体もひっくり返ったぞ!?
「龍太様、ただいま到着致しましたッ!」
さらに、彼に続くように現れたもう一人のG型が、倒れていた「新人類の将兵」に電磁警棒の一
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