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フルメタル・アクションヒーローズ
第121話 鉄の咎人
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えて瀧上さんに挑み掛かる。

「バカどもが……!」
「ウッ――ぐあぁあっ!」
「うぁああっ……!」

 しかし、鉄人の両腕から飛び出す鞭は、それよりも遥かに速いスピードで二人を捕らえる。縄のように彼らを縛り上げた瀧上さんは、いたぶるように締め付けたかと思うと――再び救芽井達のいる場所に放り投げてしまった。締め付けのダメージによるものなのか、既に着鎧も解かれてしまっている。

「三人のG型――それも精鋭部隊の者達が、一分も経たぬうちに……!? ウッ!」
「ちゃ、着鎧甲冑ぅッ! ――くうっ!」

 今度は既に着鎧している茂さんに加え、「救済の先駆者」に着鎧した救芽井も受け止め係に回ってくれている。彼女の着鎧した姿を見るのは久しぶりだが――懐かしんでいる場合じゃない。

 さすがに目の前で仲間を三人も瞬時に倒されては、士気なんてあったもんじゃない。甲侍郎さんを除く残り二人は、すっかり怯んでしまい後ずさりを始めている。俺の傍を固めているR型の連中も、腕で俺を庇いつつ、誰もが足を震わせていた。
 そんな彼らを一瞥し、瀧上さんはギリッと拳を握ると――今度は審判席を睨み上げた。

「この程度の連中で、オレを消せると思っていたのか……伊葉」
『……思っていようがいまいが、未来は何も変わらない』
「なに?」
『ここに来てから数日間、君をずっと見ていた。あの時とは変わっているかも知れない、そんな兆候があるかも知れない――そう期待しながら、な』
「……」
『だが、やはり君は変わってはいなかった。強すぎる信念ゆえか、君は今も昔も変わらないままだ。甲侍郎と連絡を取り合い、君の現状をリークする時も――私はただ、君の「変わらなさ過ぎる」在り様を伝えるだけだった』

「……何が、言いたい」
『――君が変わらない以上、君をこの世界に受け入れるわけにはいかない、ということだよ。ここで我々を消したところで、君がいずれ倒れる未来には変わりない。せめてこれ以上傷付く者が出ないよう、降伏してほしい』

 伊葉さんの声色には、嘆きのような哀れみのような――敵意とは明らかに違う、「哀願」に近しい色があった。
 自分が見込んだヒーローが、これ以上堕ちていく様を見ていられないのだろう。どんなに落ちぶれようが、一度そいつに移った情ってものは、簡単には引っぺがせないものらしい。

「鮎美。お前も同じ意見だと言うのか?」
『……』

 だが、瀧上さんの反応はあまりにも淡泊だ。彼は伊葉さんの訴えにまるで耳を貸さず、何事もなかったかのような様子で所長さんに話を振っている。
 所長さんは伊葉さんと僅かに目配せして、心配そうに自分を見上げている四郷を一瞥する。

 そして――

『……聞いて、凱樹。あなたと私は、許されないことをしたのよ。数え切れない
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