第117話 瀧上凱樹の猛威
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せる。
「『日月』! 『三日月』! 『人中』! 『三角』! ……『承漿』ォッ!」
ただがむしゃらに蹴るわけではない。顎から下、及び脳天に近い部分と、「両眼」を除く顔面の急所。その全てに一撃一撃を突き刺すように、回し蹴りや前足底の飛び蹴りを連続で叩き込んだ。
「ハッ……ハァッ、ハッ……!」
そして、全ての攻撃を終えて彼の眼前に降り立つ。「救済の超機龍」で超人的な身体能力を得ていなければ、空中五連撃など到底不可能だっただろう。実現にこぎつけた今でも、息切れしてしまうくらいなのだから。
「――なるほど、経脈秘孔を狙う護身拳法か。オレが『人間』だったなら、今ので随分と堪えたかも知れんな」
「……そんなっ……!?」
……しかし、それを浴びせた相手の反応は無情な程に冷淡で――機械的だった。思わず顔を上げる俺だが……仮面を被っていて、よかったと思う。
こんな絶望気味な顔を、誰にも見られずに済んで。
「だが、オレの身体の大部分は機械化され、経脈秘孔はもちろん、人体の関節を利用した技も封じることができる。さっき君がしくじったように、な」
「ぐッ……!」
「それでも君が睨んだ通り、唯一のオリジナルである頭部の脳髄。ここを覆う場所だけは、脳自体を正常に機能させるために、普通の人間とさして変わらん造りになっている。経脈秘孔が共通している可能性も、なくはないだろうな」
そこで一旦言葉を切り、瀧上さんは鉄兜の上から、あの凍るような眼光を俺に浴びせて来た。目元が見えないというのに、視線で突き刺される感覚に襲われている――こんな矛盾、あってたまるかよ……!
……ダメだ、動けない……! 古我知さんと戦う時だって、こんなに震えてはいなかったのに……あの時とは違うはずなのにッ……!
「しかし、そうだとしても君の技がオレに通じることは有り得ない。顎から額にかけての顔面全てを防護している、この鉄兜を装着したオレには、な」
自分の顎――正確には鉄兜の口元を護っている部分を撫でながら、彼は悠然と語る。
口調そのものは静かだが……この状況、声色、体格のせいで、全てが威圧的であり――絶望的だ。
パワーも装甲も圧倒的。関節を攻める技も効かない。唯一の弱点である頭部も、鉄兜に護られている。……八方塞がり、じゃないのか……!?
そんな考えから、再び浮かんで来る最悪の可能性。この状況になるまで追い詰められてしまった今では、もはや疑う余地がないッ……!
「――何が言いたいか、わかるな? 君の技は全て、オレには通用しない。そういうことだ」
……そして、あまりにも非情で、冷徹な本人の一言が
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