第107話 押し寄せる波との戦い
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もし、連結器の存在に気づくのが一秒でも遅かったら――考えたくもないな。
『試験終了! タイムは……両者同着の一分五十七秒! さすがね!』
そして、俺が屋上にたどり着いて間もなく、所長さんのアナウンスが入る。同着ってことは――四郷も今さっき終わったところだったのか。あんなにビュンビュン動いてたのに、ちょっと意外。
にしても、一分五十七秒って……マジか? あんなに必死に動き回ってたってのに、二分も経ってなかったのかよ。
『さて、それじゃあ判定をお願いします。伊葉和雅氏』
「……!」
――そうだった。この勝負の結果を判別する材料は、タイムだけじゃない。
実践において役立つレベルまで、救助対象者に掛かる負担を抑えられているかどうか。そこに比重が置かれていなければ、例え迅速に救助活動が行われていたとしても、勝者として認められない可能性があるのだ。
……だ、だけど心配ないはずだ。俺だって対象者を守るために破壊行動は抑えたはずだし、間に合ってもいるはず――
『第一課目「救助対象者への迅速な移動」。勝者は――「新人類の身体」とする』
――だが、現実は思いの外……非情だったらしい。
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