ペルソナ3
番外編064話 その頃のレモンとマリュー 後編
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を見て、マリューもまた満足そうに笑みを浮かべ……テーブルに置かれていたレポートに気が付く。
何となくそのレポートに手を伸ばすと、そのレポートが以前綾子の言っていた使い捨ての支援用の機体の物だと気が付く。
そちらの方に関わっていなかったマリューは、自分の考えに没頭しているレモンの邪魔をするのもどうかと考え、紅茶を飲みながらレポートを見る。
(ふーん、結局ベースの機体はソルプレッサになったのね。グゥルとかも参考にするって言ってたけど……あくまでも参考は参考なのね。ソルプレッサの方も色々と細かいところは改良されてるみたいだし)
レポートには、ソルプレッサ後部の部分にシャドウのような機体が乗る為のブースターユニットが備え付けられていると書いてあった。
そのブースターユニットこそがこの機体の肝で、武器の類もミサイルとビーム砲はそちらのブースター部分に装着されているらしい。
唯一、ソルプレッサの機首近くにバルカンはあるらしいが、バルカンという武器の威力を考えると、それこそ対人用、もしくは向こうが撃ってきたミサイルを始めとする武器の迎撃用といったところだろう。
「ああ、それ? 技術班の方から上がってきたレポートだけど、案外と出来がいいわよね」
ヴァイクルの改修について考えていたレモンだったが、マリューが何のレポートを読んでいるのかを見て、そう話し掛ける。
「そうね。ただ……あまり好まれなかったんじゃない?」
レポートから目を離して尋ねるマリューに、レモンは頷きを返す。
実際、この機体はシャドウミラー特有の技術は一切使わず、エネルギー源もSEED世界のバッテリーを使っている。武器の類も重力関係の武器でもなく、普通のビームで、ミサイルもそれは同様だ。
まさしく、どこにでもある技術の組み合わせに等しい。
……勿論、だからこそファブニールと比べて圧倒的なコストの低さという利点もあるのだが。
この機体を100機作ったところで、ファブニールどころかシャドウ1機分のコストにもならないだろうという程の、圧倒的なコストの低さ。
だが、自分達が今まで蓄えた様々な技術の殆どを使わずに開発しろと言われただけに、技術班の者達は当然のようにあまりやる気になれなかった。
もっとも、それでもしっかりと使える設計データを作成する辺り、仕事は仕事として認識しているのだろう。
「そうね。けど、そのダラニは使い捨てとして考えれば、十分な性能を持っているわ」
「ダラニ? それって、北欧神話に出てくる馬の名前よね?」
「ええ。スレイプニルの血を引いていると言われている馬で、ジークフリートが乗っていた事で有名ね。……正直、使い捨ての機体にそんな名前を付けてもいいのかどうか迷ったんだけど、ファブニールがスレイプニルなら、簡易型の
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