11.5家庭崩壊
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「車で全速で対向車にぶつかって、親子でグチャグチャになるのもいいわね?」
(再生)「どうしたのママさんっ、ユリカちゃんが泣いてる、やめてよっ、もうやめてよ〜〜!」
所々、声が小さい部分は聞き取れなかったが、母やユリカが叫んでいる所は明瞭に聞き取れた。
(再生)「いやあ〜〜〜〜! ころさないでっ! ママをころさないで〜〜! わたしをころさないで〜〜〜!!」
その内容を見せられ愕然とするユリカの母。
「何て事を……」
ラピスの狙い通り、ミスマル家は崩壊の危機に陥った。
精神科医との面談を受けるユリカの母。もう逮捕拘束されて、娘と面会など到底許されない立場になった。
「この人格は多分、ミスマルさんが子供の頃、虐待されていた頃に派生した人格だと思われます、ご自身を傷付けるため、または、お嬢さんを虐待する時に現れるようです」
「そんなっ」
「お嬢さんが「ママを殺さないで」と言っている所からも、お嬢さんはミスマルさん自身と、この人格が別人であると認識していますね」
もう顔を覆って泣き、自分こそが今まで娘を虐待し、家出させて来た犯人なのだと思い知って、肩を震わせる。
「お嬢さんは貴方をかばっているのか、何度も貴方の別人格に脅迫され、正直に答える事もできないようです」
そう言ってため息を漏らす医師。
「もしくはすでに人格が乖離して、虐待された時の記憶は閉ざされている、とも考えられます」
「ううっ! うわああああああっ!」
口を抑え、泣き崩れるユリカの母。
「娘さんの体にも、いくつもの骨折の跡がみつかりました(ラピスに虐められたため)、それと火星でも、娘さんは家出の常習者として、何度も遠い場所で保護されていますが、これは交通機関を使わず子供だけで移動できる距離ではありません。あちらでの調査がどうだったのか不明ですが、我々は貴方が連れて行って捨てたと仮定しています。取調べにご協力願えますか?」
「はい……」
その時、別室で聞き取り調査を受けているユリカは。
「お嬢ちゃん、今までにもよくあんな事があったの?」
「ううん、ちがうの、あんなこといままでなかったの」
しかし、ラピスの事を隠すあまり、ポリグラフはビンビンに反応していた。
「隠さなくてもいいんだよ、これはママのためにも、君のためにも大切な事だから」
周囲を大人に囲まれ、パニック障害を起こしてしまうユリカさん。白目剥いて痙攣し始め、あらぬことを叫び始める。
「ひいいっ、ママをっ、ママをころさないで〜〜〜っ!」
すでに誤解が誤解を産み、大変な事になっていた。
その後、一部の週刊誌では「お手柄、ペットロボットにより、幼児虐待多重人格母ついに逮捕」などの刺激的な文面が踊り、テレビのワイドショーでも大きく取り上げられていた。
「このペットロ
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