11.5家庭崩壊
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れ、誰かと同じようにトラウマの塊となって行った。
(警察に通報しなさい)
ペットロボットに、緊急通報機能を使うよう指示するラピス。
「えっ? うん。助けてっ!僕の友達がいじめられてるのっ! 助けてっ、助けて〜〜!」
奇妙な通報に戸惑う係官だったが、虐待の映像を見せられ、緊急出動を要請した。
「さあ、このまま捻り殺されるのと、ママと心中するのと、どっちがいい?」
「ヒィイイイ!」
「殺さないで欲しいの?」
「うん」
「ママを返して欲しい?」
「うん」
「じゃあ、三回回ってワンよ」
ペットロボットが来てしまい、まるでアキトに見られているような感じがして、恐ろしいお仕置きは出来ず、傍では腰が抜けたままのユリカが、言われた通り回っていた。
「ワン……」
もうこのユリカは、精神的にも人格やプライドなど、全部駄目になっていた。
「今度だけはアキト君に免じて許してあげるわ」
「ほんと?」
「じゃあ、貴方のママが目を覚まして、何で泣いているか聞いたら「ママが急に怒り出して、私の首を締めた」って言うのよ」
「ええっ?」
「それでも平然としていたら、貴方のママじゃない、まだ私がいるって意味よ。驚いて医者にでも相談に行ったら貴方のママが戻って来た証拠よ」
「うん」
やがてユリカの母は、穏やかな表情に戻ると急に力が無くなり、片手ではユリカを持っていられず下に落とした。
「ママ?」
「どうして泣いてるの?ユリカ」
「…………」
ユリカの耳の中では、先程のラピスの命令が繰り返されていた。
(ママが急に怒り出して、私の首を締めたって言うのよ)
「マ、ママがきゅうにおこりだして…… くびをしめたの」
「えっ?」
「ママがわたしの……」
そこでようやく、ユリカの首に締められたような、赤いあざがあるのに気付く。
「なっ! 何で?」
ついさっきまでの自分の記憶が無く、何をしていたのかは、どうしても思い出せない。
「まさか?」
そこで家の周辺でパトカーが走って来る音が聞こえていた。
「警察です! 開けなさい! 開けないと鍵を壊しますよ!」
ペットロボットの通報により、ユリカの母は幼児虐待の疑いで逮捕された(笑)。
ペットロボットへの事情聴取
「じゃあ、ユリカちゃんは、いつもママに叩かれたり、虐められていたんだね?」
「そうだよ、僕がこの家に来てからユリカちゃんはいつも叩かれていて、ママさんは怒ったら人が変ったみたいになって、僕が止めても聞いてくれなかったんだ」
嘘で塗り固めて証言し、ユリカの母を陥れるペットロボットのアキト君。
その言葉は「ロボットは嘘をつかない」との仮定から、証拠として採用されてしまった。
さらに防犯ビデオの機能で、当時の様子を再生するアキト君。
(再生)
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