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おぢばにおかえり
第四十三話 阿波野君が気に入れられてその三

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「僕も」
「それはいいわね」
「あとひのきしん隊も行かせてもらいたいです」
「確かお家は普通のお家よね」
「共働きでサラリーマンと公務員です」
 阿波野君のご両親はそうみたいです。
「いつも頑張ってます」
「あっ、それじゃあね」
 お母さんは阿波野君のお話を聞いてすぐに言いました。
「教会に入りたいのね」
「迎えてくれる教会があれば」
「そうね」
 ここで、でした。お母さんは。
 私の方をちらりと見てからです、阿波野君に向かいなおってそのうえでにこりとしてまたこの子に言いました。
「いい考えね」
「そうですか」
「ええ、千里もそう思うわよね」
「えっ、まあね」
 急にお話を振られてびっくりしつつ答えました。
「教会長さんも必要だしね」
「そうよね」
「特にうちみたいな教会は」
 私はここでも自分のお家のことを思いました。
「お婿さんが必要だから」
「いい考えよね」
「そう思うわ、けれど色々としんどいから」
 教会長さんになればです。
「大教会での当直とかもあるしね」
「そうなんですか」
「あと神殿本部に行くこともあるし」
 いつも座って詰めている教服の人達です、神殿本部に行けばお会い出来ます。こうしたおつとめもあります。
「教養掛もね」
「修養科のですね」
「色々あるわよ」
「そうなんですね」
「本当にね」
「大変なんですね、会長さんは」
「そう、けれど一人じゃないから」
 何かお母さんは阿波野君に凄く親身な感じでした、その親身さはおみちのことを一から仕込むみたいな感じに見えました。
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