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儚き想い、されど永遠の想い
110部分:第九話 知られたものその十六
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第九話 知られたものその十六

「そうですね」
「蛮勇は少し」
「なら。少しずつです」
「少しずつ?」
「幸せになれる状況を築かれるべきです」
 そうするべきだとだ。佐藤は義正にアドバイスをした。
「私は旦那様の味方になります」
「君が」
「はい、何があろうとも」
 強い声でだ。彼に誓うのである。
「そうならさせて頂きます」
「有り難う。それなら」
「何なりとお話下さい」
 微笑み、純粋でそれでいて強さのある微笑みになってである。彼は義正に話すのだった。その目はだ。義正の目を確かに見続けている。
「御力になります」
「そうなってくれるね」
「そうさせてもらいます。そしてなのですが」
「まずはだね」
「御相手にお話されてはどうでしょうか」
 まずはだ。そこからだというのだ。
「その白杜家の」
「真理さんに」
「確か三番目の御令嬢でしたね」
「うん、そうだよ」
 まさにだ。その彼女だというのだ。
「その人なんだよ」
「その方と相談されるべきです」
「まずはそこからなんだ」
「そうです。お二人のことですから」
「余計にそうだね」
「はい、そうされるといいです」
 義正に対して話すのだった。
「まずはそこからはじめられるべきです」
「これからどうするかを」
「愛というものは一人ではありませんから」
 だからだというのである。佐藤は真剣に話す。
「二人で進まれるべきですから」
「だからこそ余計に」
「そうです。進まれて下さい」
 佐藤はこのことも話すのだった。一人で進むものではないとだ。
「御二人で」
「幸せは二人で手に入れるもの」
「愛、一人で幸せになる愛なぞないのですから」
 佐藤は理想論であった。しかしその理想はだ。
 純粋でしかもだ。真理である理想だった。
 その理想を話してだった。彼はそれを義正への言葉とするのだった。
 そしてそれを聞いてだ。義正もだった。
 確かな顔でだ。こう答えるのだった。
「それならね」
「お話されますね」
「まずは彼女とね」
「そうして下さい。そして必ず」
「必ずだね」
「幸せになって下さい」
 このことはだ。絶対にだというのだ。
「御二人で」
「幸せに、だね」
「また言わせてもらいますが誰もが幸せになるべきですから」
「だから僕達も」
「そうなって下さい」
 佐藤もだ。こう言ってであった。
「何があっても」
「わかったよ。じゃあ」
「はい、それでは」
「飲もうかな」
 話が整ったところでだ。そこでだった。
 義正は微笑んでだ。こう佐藤に話した。
「珈琲をね」
「そうですね。喫茶店にいますから」
「珈琲も飲まないとね」
「はい、それでは」
「この店は。とりあえず入ったけれど」
「それ
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