110部分:第九話 知られたものその十六
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
でも。珈琲の味は」
「いいね」
実際に飲みながらだ。こう話す義正だった。
「確かな味がするね」
「神戸には美味しい珈琲の店が多いようですね」
「多くなったと言うべきかな」
「どうしてでしょうか、それは」
「海のせいかな」
海があるかだとだ。義正はこう話すのだった。
「そのせいかな」
「海があるとですか」
「横須賀でもそうらしいね」
言わずと知れた軍港である。帝国海軍最大の基地の一つがそこにある。そこもまた大きな港でありだ。珈琲が有名な街なのだ。
「珈琲がよく飲まれるそうだね」
「そういえば呉や舞鶴も」
こちらも軍港である。
「よく飲まれるとか」
「海には珈琲が合うのだろうね」
「海にはですか」
「そう思う。海には珈琲だろうね」
また言う義正だった。
「とてもね。海軍も珈琲らしいし」
「そうですね。海軍は珈琲らしいですね」
「海軍からはじまったのかな」
義正は考えながら話していく。
「それでかな」
「海軍だからですか」
「そうじゃないかな。海軍の人とも時々お話するけれど」
「どの方も素晴しい方ですね」
「はい、とても」
こう話をしながらだった。義正はだ。
真理とのことを考えるのだった。まず彼女に話してだ。それからのことを考えるのだった。
第九話 完
2011・4・27
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ