黒魔術教団
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「あんたが言う?」
「俺は遺書を残しただろ?」
「ナツ・・・『書き置き』ね」
安定のボケのナツさん。だけど、それを聞いてもルーシィさんの怒りは収まらない。
「それでも勝手に出ていったのは同じ。残された方はね・・・」
怒って顔を近付けたルーシィさん。それにナツさんは息を飲むと、徐々に彼女の表情が悲しみへと変化していく。
「残された方は・・・」
「イチャイチャしないでください」
「してないわよ!!」
恋人なのではないかとジュビアさんからは見えたらしく熱で弱っている状態にも関わらす見事な突込み。それにルーシィさんが目を飛び出させそうになったので俺とウェンディがそれを宥める。
「それでグレイがどこにいるかわからないの?」
「わかっていたらここにいないでしょ?」
「もう連れ戻してるはずだよね〜」
シャルルとセシリーの言う通りだと思う。大切な人がいなくなってどこにいるかわかっていればその場所に探しに行く。人なら当然な行動だ。
「ジュビアは何日も探して歩きました・・・でも・・・グレイ様は見つからなくて・・・待つことにしたんです」
「待つ?」
ジュビアさんも当然のように彼のことを探していたらしい。でも今日この村に残っていたのは決して諦めたからではなかった。
「ここはグレイ様とジュビアの・・・思い出が詰まっている家だから、きっといつか・・・グレイ様はここに帰ってくるって・・・」
一縷の望みに賭けたジュビアさんに全員の表情が険しくなる。彼女は彼を信じているから、愛しているからこんな風にいつまでも待っていることができるんだ。
「ごめんなさい。久しぶりにあったのに・・・」
泣き顔を隠すためにか寝返りをうってこちらに背を向ける。その彼女に背を向け窓の外を見ているナツさんが口を開く。
「俺が見つけてやる。いや、必ず見つけ出す。仲間を全員集めるんだ。妖精の尻尾を復活させるために」
彼女の方に向き直り笑顔を見せるナツさん。その声が届いたのか、ジュビアさんは背中を震わせていた。
「ジュビアさん、眠っちゃいましたね」
「相当疲労してたもんね」
恐らく寝る間も惜しんでずっと探し回った後、ただひたすらに彼の帰りを待ち続けていたのだろう。それが俺らの訪問で緊張の糸が切れ、しばしの休息に入っていると推測できる。
「見つけるって言ってもアテあるの?」
「あたしのメモでも足取りが掴めてないんだー」
「それじゃ〜八方塞がりじゃん〜」
家の軒下で作戦会議をしている俺たち。でも、さすがに手がかりが無さすぎてちょっとムリゲーかも。
「どうしたの?ナツ。怖い顔して」
「元々じゃない〜?」
「こら
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