ペルソナ3
番外編063話 その頃のレモンとマリュー 前編
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シャドウミラーの魔法区画にある魔法球の中にある研究所の1つで、レモンは難しい表情を浮かべながら目の前にあるデータを眺めていた。
だが、すぐに溜息を吐いて首を横に振る。
そんなレモンの様子に、マリューは淹れたばかりの紅茶の入ったカップを置く。
「ちょっと、難しいわね」
「そうね。……そもそも、アクセル以外に念動力を使える人がいないってのが、大きいわ。もっとも、だからこそこのシステムの研究を始めたんだけど」
紅茶を受け取ったレモンが、気分転換をするようにその紅茶を飲みつつ、告げる。
モニタに表示されているのは、T-LINKシステムのデータ。
T-LINKシステムがどれだけ有用なシステムなのかというのは、それこそアクセルと幾度となく戦場を共にしてきたレモンにしてみれば明らかだ。
だが、そんなT-LINKシステムにも大きな欠陥がある。
そう、念動力を使えなければ、T-LINKシステムそのものを使う事が出来ないという事。
T-LINKシステムの根幹ともいえる能力だが、現在シャドウミラーで念動力を使えるのはアクセルしかいない。
もしOGs世界との間にゲートが開いていれば、念動力の素質を持った人物を引き入れる事も出来たかもしれない。
だが、現在それが出来ない以上、現状で何とかするしかなかった。
そうして考えられたのが、念動力がなくても――正式には計測出来る数値ではなくても、というのが正しい――使用可能なT-LINKシステム。EASY T-LINKシステム。通称ET-LINKシステム。
簡単に言えば、T-LINKシステムの量産型と呼ぶべき代物だ。
以前であれば、案はあっても完成するのが難しいと判断し、開発に着手する事はなかっただろう。
だが、今のシャドウミラーには、これまでに得てきた様々な技術や、その世界特有の物質といったものがある。
「フォールドクォーツならもしかしたら、と思ったんだけどね」
「G元素は? フォールドクォーツよりは希少性も低いし、そっちを重視した方がいいんじゃない?」
紅茶を飲みながら、マリューはレモンに答える。
バジュラ戦役の際に、アクセルは……いや、シャドウミラーは大量のバジュラを殺し、その死体を全て回収した。
中には、宇宙空間でS.M.Sが倒した死体ですら入手している。
それによって大量のフォールドクォーツを入手はしたのだが、当然だが使えばなくなってしまう。
使えばなくなるという意味ではマブラヴ世界のG元素も同様だったが、こちらはマブラヴ世界の火星にあるハイヴから、定期的に量産型Wやメギロートによって盗み出されたG元素が送られてくる。
勿論湯水のように使い捨てに出来るという訳ではないが、それでもフォールドクォーツより使い勝手がいいのは間違いのない
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